青海のブログ

本や映画、展覧会の記録と感想等。時々、発達障害について。

「テオ・ヤンセン展(千葉県立美術館)」感想

年末ですが、大掃除なんて碌に着手できていません…

さて、千葉県立美術館にて開催中の、「テオ・ヤンセン展」をやっと観に行けたので、その感想です。

 

お天気良かったですよ~

 

【目次】

 

テオ・ヤンセンとは?

テオ・ヤンセン(Theo Jansen 1948年生~)さんは、オランダの彫刻家です。風力を受けて動く巨大彫刻作品「ストランドビースト(Strandbeest)」で知られています。素材はプラスチックのチューブや結束バンド、ペットボトルなどありふれたもので作られています。

 

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元々、工科大学で物理を専攻されていたようですが、その後アーティストに転じて、1990年に風力で動くストランドビーストの制作を開始したそうです。アートと科学を融合したその作風から、「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とも言われるようです。

 

展覧会会場パネルより/テオ・ヤンセン

 

ストランドビースト

彼の作りだすストランドビーストは、”生物”という位置づけのようです(今回の展示でのキャプションでもそのような記述でした)。なんて愉快で平和な生物か!と思います。

 

展覧会会場にて

 

ビーストの”脚”を構成するために、チューブの長さと位置関係を割り出す13の基本となる数字をヤンセンさんはコンピュータ上で試して、理想的な動きをするための数値の組み合わせを算出し、それを「ホーリーナンバー」と名付けたそうです。これが、生物らしい滑らかな動きを実現するのだそうです。

 

聖なる13の数

 

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地面に垂れたホース(ウレタンチューブ)で水を感知して方向転換をしたり、強風が吹けば転倒防止の杭をハンマーで打ち込む機能まで備える、などその機能は年々、進化しているようです。展覧会では、屋内で、そのような動きをデモンストレーションで見せていただきました。

下の写真のビーストは、横歩きで手前に歩いてきて、また向こう側へ戻っていきました。

 

このビースト、手前に歩いてきました

転倒防止の杭をハンマーで打つ機能も

 

ビースト達の素材を間近で見ると、結構ありふれたもので作られているのにニヤリとします。

 

”生物”のような紹介パネルが

一つひとつのビーストは大きいです。

よく見ると、レースのカーテン生地を使用しています

 

下の写真は他のビーストの一部ですが、ペットボトル使っています。

 

「風を食べる(風を圧縮して、溜める)」そう

 

思ったより、沢山のストランドビーストが展示されていました。

 

会場風景

 

でも、テオ・ヤンセンのストランドビーストは、海辺で風を受けながら自ら動いている様が真骨頂だと思います。

 

展覧会会場展示パネルより

 

本展覧会では、来場者が自分で押して動かせる「アニマリス・オルディス」というストランドビーストも展示されていました(私も勿論、動かしましたよ)。ただしこれは屋内。12月3日(日)に、屋外(美術館のある近隣の千葉ポートパーク内ビーチプラザ)で、このストランドビーストと一緒に歩ける、イベントが開催されていたようです。

 

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このイベント、行きたかったのですけどね。

…腹を壊していなかったなら(›´ω`‹ ) 

 

aoumiwatatsumi.hatenablog.com

 

その他のドローイングなど

展覧会では、作家のアイデア・スケッチも展示されていました。

 

ストランドビーストのイメージスケッチ?

ちょっとキモい感じが良し

両方とも男性?

 

上のスケッチは、ダ・ヴィンチの素描を意識されてそうですが、「どっちの側にもなっても微妙」な感じが…(;´・ω・)

 

あなたもストランドビーストが作れる?

会場では、テオ・ヤンセンのストランドビーストのミニチュア版も見られて、「団扇であおいでください」と紹介されていました(ミニサイズでも、あおいでその風力で動くんです!)。

 

ミニチュアサイズでも、ちゃんと動きます

 

ミュージアムショップでは、このようなミニチュア版のストランドビーストを作れるキットが売られています!

 

オランダ製?

 

実は、日本でも、過去に雑誌『大人の科学』でテオ・ヤンセンの「ミニビースト」が販売されていました。

 

 

…私は不器用だから、作りませんけどね(;^ω^)

 

展覧会は、年明け、~2024年1月21日(日)までです。

 

会場風景

それでは、また!

「東京天然温泉 古代の湯」を推したい…のですが (›´ω`‹ )

※本記事は、徒然日記(ここ2週間、いや1ヵ月?について語った)です。

 

極楽だった…のですけれどもね~

 

さて、上記の通り、近況報告にからめて、葛飾区のスーパー銭湯、「東京天然温泉 古代の湯」を推す記事にしたく、駄文を綴ります。タイトルを「徒然日記」としなかったのは、「古代の湯」を特にアピールしたい!からです(※その割に、それ以外の部分の記述が長~くなりました(;´∀`) 時間がある方だけお付き合いください)。

 

前の記事のとおり、私は情報セキュリティマネジメント試験にほぼ合格した(…かもしれない)状態です。

 

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実は、この試験の少し前に(※2023年11月11日)開催された、「文学フリマ東京37」に参加してきました。執筆に参加した本が初売りで、短時間だけ売り子もしました。

 

我慢できず行きました

当日の戦利品

上に乗っている本が執筆で参加した『彩宴3』です

 

試験前だから、事前のチェックはほとんどせずに行きましたが、それでも素敵な本との出会いがありました。

 

この本なんて、笑い死ぬかと思いました

 

話は情報セキュリティマネジメント試験に戻りますが、受験後、勉強から解放された~‼(かもしれない)状況でしたが、まずは文芸フリマの戦利品で未読だった本を読了しました。そして、以前から読みたかった『恋する虜』を図書館で借りてきて読み始めました。フランスが生んだ、異端の作家ジャン・ジュネ最後の大著です。

 

文学でした

 

そこでゆっくり休めれば良かったのですが、生憎と直後に家族イベントがありまして…

 

色々家族のお祝い事を寿ぎ、皆この一年、お互い頑張ったね~、とねぎらいも兼ねて、都心の某フレンチレストランでランチ会食をしたのです。

 

決して不味くはなかったですが

 

なんでも、パリで成功した日本人シェフのレストランの東京支店だとかで、もったいぶったお洒落なお店ではありました。サービスは申し分なかったです。

味も、美味しかったことは美味しかったですが…う~ん、「気取っていて、お値段の割には大したことないなあ」というのが正直な感想です。これは、「気取っているフレンチなんて、体裁ばかりでその実大したことないんだよ、もっとくだけた店の方がよっぽど美味しいよ」…と言いたい訳ではないのです(気取っていて”その上で”凄みを感じる体験を提供できるフレンチレストランはちゃんとあります)。

 

さて、件の店の料理は、懐石料理さながら、綺麗なお皿の上に、順繰りに、ちょびっとずつ料理を提供してくれるのですが、ビジュアル面がいまいち、という印象です。

 

もうちょっとビジュアルの美しさを考えた方が良い

牛肉の何か。肉は柔らかくて美味しかったですが

 

後、この店、ワインリストのメニューも気取っていて、殆どフランス語(だと思う。私無知なので…)でした。何のため?ここは日本だよヽ(`Д´)ノ

 

偉そうなワインリスト

 

良く見ると、右上部分に日本語表記がありますが…www

 

何でここだけ(笑)

 

勿論、家族が選んでくれた店だから、文句なんて言いませんでしたが、後日、(これも参加していた)母と「あそこ、そんなに美味しくなくね?」とこっそり言い合いました。

その母は、前日に関西から上京してきた自分の妹と東京駅の寿司屋でランチしたのですが(別の家族交流!)一人¥2,200-の海鮮丼の方が(その何倍もの価格の)フレンチより「美味しかった気がする…?」とのことです。

 

築地寿司清グランスタ八重洲店の江戸前ちらし

 

まあ、個人の感想ですが。

 

そんなこんなで、その土日はゆっくり休養を取れないまま終わり、平日は年末進行が始まりつつある状態(休めない、在宅勤務も難しい位)で、ヒィヒィ働いていました。

ですから、次の週末(先週の土曜日)は久々にスーパー銭湯での~んびり過ごそう!自分を癒そう!と決めて、以前行ったことのある「東京天然温泉 古代の湯」に久々に行きました(※やっと、古代の湯の話題に…)。

 

東京天然温泉 古代の湯 公式サイトより引用

 

www.kodainoyu.jp

 

ここ、ちゃんと湧いている温泉らしくて、泉質も確か。成分は「含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩温泉」だそうです。金曜日・日曜日は割と混むようですが、結構穴場です。

 

何より、今回利用しようと思ったのは、今、この施設の3階にある「中華レストラン・ 宝」という店が、街中にあっても遜色ないレベルの本格中華だということです。場所柄でしょうかね。以前は、「古代の湯」はあまりパッとしない食事の提供しかなかった記憶があります。

 

「古代の湯」公式サイトより引用。うまそ~

 

行く前から、公式サイトのメニュ―をチェック。ふんふん、四川料理系らしいな、前から食べたかった「水煮魚(川魚の四川風煮)」がある!と気持ちはアガる一方。

 

mala.tokyo

 

「古代の湯」公式サイトより引用。水煮魚、辛さ+2で頼みましたが…

 

実際行って、ひと風呂浴びた湯上りに、ワクワクして「中華レストラン・ 宝」に入店、突き出しのピーナッツの和え物、を始め、旨たたき胡瓜、さっぱり豆苗サラダのクオリティに「これは本格的だ」と感激しつつ…

 

右端の自家製ラー油も本場っぽかったです

旨たたき胡瓜、これも本格的でした

 

「水煮魚」を「辛さ+2」で頼んだら…

 

ど~ん(水煮魚)

 

凄い量(どんぶり一杯!)が来ました∑(゚Д゚)ファッ!!?

水煮魚って、「ラー油で魚を煮ている」ようなものですから、凄いボリューム感。焦りながら「あわわ…」と大量の唐辛子は除けながら、なんとか食べました。味は、とっても美味しかったです。美味しかったのですが…

 

早速その日の晩、腹を壊しました (›´ω`‹ ) 

 

翌日(日曜日)も、お腹はピ~ゴロゴロ♪で、行きたいなとふんわり希望していた展覧会は当然なしで、家でぐったりしていました。確かに「唐辛子は除けた」のですが、溶け出したカプサイシンの量が私の腹の限界量を突破していたようで…(;´・ω・) アホです。「辛さ+2」で頼んだのも、ココイチの「2辛」程度の感覚でしたが、本当に、本当に!考えなしでしたよ…

せっかくの休日、体力を回復するためにスパ銭行ったのに、それでお腹壊して更なる体調不良となるなんて、バカ?(バカです…(´;ω;`))

 

週明けは、またバタバタ働く日々で、休むことも叶わず、前述の『恋する虜』を抱えて通勤電車の中で読む日々。ちなみにこの本、610ページもあるハードカバーで重い!かさばる!です(笑)ようやく来た土曜日(昨日)も、家事をこなすわ、雑用をかたずけるわ、でぐったり。本日今朝やっと、読了しました。

 

で、本日都内で開催された、彩ふ読書会(東京)で、推し本として紹介させていただきました。いや~、しんどかったです。

 

 

この本の感想は、後日…できたらしたいです。

 

本日の読書会で紹介された本

本日の読書会で紹介された本②

 

iro-doku.com

 

しかし、こんなだらだら~とした駄文に、最後までお付き合いくださった方がおられたら、ありがとうございます。

そして、こんな経験をしても、私は「東京天然温泉 古代の湯」は推したいです!また行く!「中華レストラン・ 宝」でも、また食事したい!(笑)

 

…今度はがっつり辛いメニューは避けて楽しみます! (`・ω・´)シャキーン

 

それでは、また!

 

読書会の帰りに寄ったカフェにて

 

情報セキュリティマネジメント試験に合格した…(かもしれない)

もう、2023年は後1ヵ月足らず。早いですね。

 

さて、情報セキュリティマネジメント試験に合格した?ようなので、ご報告です。

 

意外としんどかったです

 

「合格した?ようなので」と表現したのは、この試験は、「確定的な合否は合格発表を待つしかない」「受験の翌月中旬に合格発表日」だからです(;´・ω・) 

CBT試験なので、試験終了直後に、総合得点は分かります。合格圏内に入っているようなので、「合格」だと思っていましたが、試験を主催する独立行政法人 情報処理推進機構IPA)のHPによると、以下のとおり。

 

合格者受験番号一覧・合格発表日・合格証書発送日・官報公示日

合格発表日に合格者受験番号一覧のリンクを設定します(合格発表時刻は正午の予定)。
また、受験者マイページからも合否を確認することができます。
なお、掲載する合格者受験番号一覧は、試験実施月から半年間で掲載を終了します。

IPAの情報セキュリティマネジメント試験のページより引用)

 

で、私のように、11月に受験した人の合格発表日・合格証書発送日は以下の通り。

マジすか?

 

そうなると、来月中旬まで合格が確定しない…ようです。

昨年の日商簿記2級のCBT受験では、試験終了直後に合否が表示されるし、証書も(電子で)すぐ受領できたので、これには驚きました。ええ~、どうしよう…

 

職場に相談したら、「合格」扱いにしてもらえそうなので(一時金が出るのです!)、ホッとしました。良かった…

 

現時点では、「合格した…(かもしれない)」状態ですが、

 

もう勉強しなくて良いんだ(›´ω`‹ )

 

もう勉強しなくて良いんだ(›´ω`‹ )

 

もう勉強しなくて良いんだ(›´ω`‹ )

 

もう勉強しなくて良いんだ(›´ω`‹ )

 

…という訳で、牢獄から解放された気分です。良かった。

 

本試験の勉強は、興味のある分野で、「やって良かった」と思えるものですが、それでもオフの時間を勉強にとられて拘束されるのは辛かったです。

もう、トシだし。仕事も結構忙しいし。

 

とは言え、昨年の日商簿記2級の受験勉強(合格まで1年費やした)よりはずっと楽な筈なんですよね、良く合格したな、昨年の自分。我慢が続かなくなってきたのか。

 

今回お世話になったテキストたち

 

今回の情報セキュリティマネジメント試験では、2023年の7月末に勉強を始めて、11月下旬に合格…で、勉強した期間は(現実逃避していた期間を差し引くと)仕事しながら約3ヵ月半程度要したことになります。

 

でも辛かったです…ついつい(趣味の読書の)積読が増えていくのに、のんびり読めないのも。行きたいと思った展覧会にいけないのも。

やっと解放されましたが、直後に家族イベントがあったり、体調が怪しくなったり、それなのに仕事が忙しくなったり(休むどころか、在宅勤務もままなりません(›´ω`‹ ))…と気の休まる暇がありませんでした。

 

仕事は、これなら年末進行→年度末進行、で来年5月頃までずっと忙しくなりそうですが、せめてオフの時間はゆっくりしたいです。

 

読書、しますよ。

 

今までなかったことにしていた、掃除とか掃除とか掃除とか掃除とかしないといけませんが(;´Д`)…やれやれ。

 

後、こういう、ICT関係の勉強は、「一度勉強したから、終わり」ではないのですよね。随時アップデートしていかなければなりません。「後は、若いもんに任せた!」という心境ですが(゚∀゚)アヒャヒャ

 

それでは、また!

 

先日、室内で咲いてくれました

『杉本博司 本歌取り 東下り』展(渋谷区立松濤美術館)感想

古米がまだ残っていまして…(›´ω`‹ ) 今秋の新米にたどりつけません。

 

さて、渋谷区立松濤美術館にて開催中の、『杉本博司 本歌取り 東下り』展へ行ってきましたので、ささっと感想を。

 

終幕が近いのですが~

 

杉本博司(以下ヒロシと表記します)は、私はファンという程じゃないですが、結構好きなアーティストで、彼が設計した小田原のアート施設「江之浦測候所」も行ったことがあります。

 

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今回の展覧会は、資格試験が近いからどうしようかと迷いましたが…行って良かったです。

 

杉本博司(1948~)は、和歌の伝統技法「本歌取り」を日本文化の本質的営みと捉え自身の作品制作に援用し、2022年に姫路市立美術館でこのコンセプトのもとに「本歌取り」展として作品を集結させました。
本歌取りとは、本来、和歌の作成技法のひとつで、有名な古歌(本歌)の一部を意識的に自作に取り入れ、そのうえに新たな時代精神やオリジナリティを加味して歌を作る手法のことです。(中略)

西国の姫路で始まった杉本の本歌取り展は、今回、東国である東京の地で新たな展開を迎えることから、「本歌取り 東下り」と題されました。(中略)

現代の作品が古典作品と同調と交錯を繰り返し、写真にとどまらず、書、工芸、建築、芸能をも包み込む杉本の世界とその進化の過程をご覧ください。

(渋谷区立松濤美術館公式サイト 展覧会ページより引用)

 

デジカメで撮影した冨士山

写真(春日大社の藤棚)の屏風

 

今回のヒロシも…ディ・モールトベネ!(非常に良しッ!!)

 

 

古代~近現代の諸作品を「本歌」としてヒロシなりの新しい作品を生み出していて(写真や書など)、相変わらずイケてるかっこつけつけ~な世界を堪能できます。

かなりスノッブな、スカしたところがある作家さんだと思いますが、そういうところも含めて私は好きです。

 

表装された『宙景』の前には本物のギベオン隕石

『眼科医の証人』写っているのは作家本人?

『眼科医の証人』の一部の、銀箔漆塗り桐箱

『数理模型 025 クエン曲面:負の定曲率曲面』

『In Praise of Shadow 980728』

 

本歌取り』と言っても、単純に先行作品にインスピレーションを得て、新しく作品を作る、という単純なものではないです。例えばヒロシ自身の作品や蒐集品を、古裂を用いて独自のイメージやセンスで新しい姿に仕立てたもの、「杉本表具」というものもやっているようで、そういう「作品」も沢山展示されていました。

下の写真も、その一例で、壁に『華厳滝図(作家の作品)』を表装したものを掛け、手前には『三鈷剣』を配置しています。剣と蓮台は現代の作家による作ですが、敷板は天平時代のものだそうです。

 

華厳滝図』の掛け軸、手前に『三鈷剣』

 

下の写真のように、蜀山人の書画を「杉本表具」でアレンジしたものも。

 

『十一牛図』『円相 素麵のゆでかげん』

 

自作ばかりか、古代の遺物や古美術品をそのイカしたセンスでアレンジして見せる能力に長けている作家さんだと思います。手掛ける人次第で、こんなにかっこよく見せられるのだな…と感心。

 

『石鏃(古代のやじり)』

旧石器時代の『掻器』『尖頭器』

『叫ぶ女(縄文時代土偶)』

『古作面 児屋根命』

 

児屋根命=天児屋命藤原氏の祖神)かな?良く知りませんが、ヒロシって、春日大社といい、藤原氏に縁が深いのでしょうかね…

 

『青銅製猫の棺』古代エジプトの遺物

 

写真の祖、タルボットのネガを元にヒロシがポジを作成した、『フォトジェニック・ドローイング』なる作品も!

 

『フォトジェニック・ドローイング 015』より

 

大本教出口なおさんの『お筆先』まであります!

 

出口なお作『お筆先』、を表装!

 

古代の「管玉(翡翠/古代のアクセサリー)」を使った『厘細録 ブロークンミリメーター』も良かったなあ。これ、現代の真鍮管を使ったアート作品(うろ覚え)を「本歌」としてヒロシが「作った」作品なのですよ。

 

『厘細録 ブロークンミリメーター』

 

つまり、『本歌』となる作品より遥か過去の遺物をアレンジした「本歌取り」作品です。ヒロシのこういうところ、しびれますわぁ~(笑)

 

鎌倉時代の舎利容器をアレンジして、ヒロシの『海景』(写真作品)を嵌め込んだ『時間の矢』が一番好きだったかもしれません。

 

『時間の矢』丸い部分は、ヒロシの『海景』が!

 

『瀉嘆(吐くほどの嘆き、の意味)』の書は、この松濤美術館の建物も手掛けた建築家、 白井晟一さん作。私の知人も白井さんの書を所蔵しているけれど、この人の書は中々良いなあと思います。

 

『瀉嘆』の書は 白井晟一さん作

 

通常、企画展示中は、美術館の吹き抜け部分の上部は、塞がれるそうですが、今回の展覧会では、ヒロシの意向でその処置がなされていないそうです。

 

松濤美術館吹き抜け

 

書…と言えば、本展覧会では、ヒロシの書もいくつか出品されていました。「老後の楽しみに(*´ω`*)」と書も手掛けるようになっていますが、まあまあだったかな?(ヒロシは写真は凄いけれど、書は元々門外漢ですから…)

 

『月』『水』の書

会場の様子

 

なお、大河ドラマ『青天を衝け』の題字については…うわなにをするくぁwせdrtfgyふじこlp

 

NHK公式サイトより引用

 

自作をわざと野外に置いて、日光や雨風にさらした『Time Exposed』シリーズもイケてました。骨董の陶器をワザと古びた色にしようとするみたいで、そういうとこ、好きですわぁ…(以下、『Time Exposed』シリーズ個別のタイトルはハッキリしないので「その1~」と掲載)

 

『Time Exposed』その1

『Time Exposed』その2

『Time Exposed』その3

 

U2「No Line on the Horizon」アルバムジャケット表装』という作品も出品されていました。これは、U2のアルバム『No Line on the Horizon』のジャケット写真にヒロシの『海景』シリーズの1枚『Boden Sea, Uttwil』が使われていることから…でしょうが…

 

U2のアルバムジャケットの表装~

 

No Line On The Horizon

No Line On The Horizon

  • アーティスト:U2
  • Universal
Amazon

 

ああ…ヒロシのこういうところは人によっては好き嫌いが別れるかもなぁ…と思いました。権威主義的というか、商売人というか。

「世界的なロックバンド、U2がアルバムジャケットに使ってくれた作品だよ~ん(・`ω´・)」ってアピールする感じで。まあ、いいんですけどね。

 

…と言う訳で、全体的にとてもとてもクオリティが高い、見ごたえのある展示でした。

ただし『時間の間(はざま)』、テメーはダメだ

 

『時間の間(はざま)』両脇の時計は「鏡像」

 

本展覧会の最初に展示されている作品『時間の間(はざま)』は、シャガールが手掛けた、パリのオペラ・ガルニエ宮の天井画と、ニューヨークのリンカーン・センターのオペラハウスの壁画を「本歌」として、古い時計の文字盤に「シャガール風に」絵をつけた作品です。時計の針が通常とは逆に動く(時計を嵌め込んだ箱の内側に鏡が張ってあるのですが、鏡像では、普通の時計回りに針が動いて見える)作りとなっています。

 

『時間の間(はざま)』拡大写真

 

例によって、作品の「箱」部分は由緒ある古い厨子を使用していたり、勿体ぶっているのですが、時計の文字盤の描画が絶望的にダセェ!(※あくまで個人の見解です)

 

私は、ヒロシをアーティストとして、その美意識の高さ、仕事ぶり、古美術への造詣の深さなどを大変優れたものと感じ、尊敬しております。それが何で、こんなダッセェ仕事を見せてしまうのか…この作品がなければ、今回の展覧会は完璧だったかもな、と思いました。

 

( ゚д゚)ハッ! これは、あえて完璧を求めないヒロシの「侘び寂び」の美意識によるものなのかもしれない?とインスピレーションが…私もまだまだだということでしょうか…

 

展覧会は、今月11月12日(日)までです。あとちょっと!

 

この『叫ぶ女』、好きです

 

それでは、また!

『ブックサンタ 2023』へ 参加しました

この時期になっても、古米がまだ食べ終わりません…でも終わらせる!

 

さて、今年初めて『ブックサンタ』という活動に参加したので、その短い記録です。

 

絵本って結構高額

 

ブックサンタとは、「様々な事情で大変な境遇にいる子どもたちへ、本をプレゼントしよう!」というプロジェクトです。全国のNPOと書店が連携して何年か前からか続けられています。

 

booksanta.charity-santa.com

 

参加希望者は、この活動に賛同している書店へ行って、選んだ児童書を購入する際、「ブックサンタに参加したい」と書店員さんへ伝えるだけ。数百円から参加可能だとか。

 

私は、SNSでこの活動をたまたま知り、今年初めて参加しました。好きな作家様(須賀しのぶさん)も参加されていますしね!

 

writer.charity-santa.com

 

子供向け(対象範囲:0歳~高校生)の本なので、絶対「児童書」に限定する必要はないようですが、児童書売り場で選んだ方が分かり易いですし、何でも小学生向け書籍が足りていないようです。

 

…で、丸善某店舗の児童書売り場にて、セレクトし、「ブックサンタ参加」と書店員さんへ申告して、参加しました。

しかし、対象年齢は小学生未満かも…私が子供の頃、結構上級生向けの本を読んでいたから良く分かりません。

 

贈る本を選ぶのは気持ちがアガります

 

あれこれ考えていたのに、結局、私が幼少時読んでいた絵本やその作者様の書籍となりました。のりもの図鑑は違いますが、こういうのに夢中になる子もいるだろう…と。ロングセラーの名作本って、「それだけ凄いのだ」と再確認しつつも、もっと新しい絵本も入れたかったのですが、結局保守的?な選択となりました。

 

 

じつは、これも私が幼少時愛読していた『おおきなおおきな おいも』も見つけましたが、予算は無限大ではないので…上記4点に留めました。

 

 

それにしても、自分もこんな寄付ができるようになったのだ(経済的に)としみじみしましたよ。

 

ただ…このような活動でちょっと気になった点があります。

活動の趣旨そのものは、素晴らしいと思いますし、一応、事前に運営団体(企業)のこともサッとですがチェックしました。活動報告もされて、割ときちんと運営されているという印象です。

 

ただ、寄付をする側、賛同されている書店さん、運営団体、配布協力されている連携団体…皆がしっかりして、例えば支援が必要な貧困家庭へとまっとうに届けられたとしても…「届いた先」で届けた本が、今後対象の子ども達に愛読してもらえるのだろうか?そこまで追いかけることは果たして可能か?と少々懸念しております。

 

例えば…「届いた新品の本を、受け取った家庭の人達がそのままメルカリに出品しないか?」とか。

 

私は汚れた大人なので…困っている人達=善良な人達 とは限らないようなぁと思っています。何度も言うように、活動の趣旨自体は、素晴らしいと思います。でもこれ、「関わる人達皆が善意を持って、真面目にルールを守っている」ことを前提にした活動かと…ある程度、関わる人達を”監視”する観点で運営する必要がないかな?と思いました。監査ってことですね。余計なお世話かもしれませんが。

 

「ブックサンタ」公式サイトより引用

 

とりあえずは、本を必要とする子ども達へ届くことを(そして長く愛されることを)祈るしかないな…と考えますが。

 

4冊購入しましたよ~

 

それでは、また!

ポジティブハラスメント

(夏が暑すぎた→米を中々食べられなかった…ので)去年の古米をまだ食べています。

 

さて、ポジティブ思考やネガティブ思考について最近つらつら考えていることを。

 

プラス思考と言えば、中村天風先生!

 

『絶望名人カフカの人生論』などの著書で知られる、頭木弘樹氏(1964年生)のインタビュー記事『「病気のおかげで」は本当?「立ち直りの物語」を求める心理の正体』(朝日新聞デジタル/2023年9月15日/有料記事)が今の世相が現れていると感じたのでシェアさせていただきます。 

 

www.asahi.com

 

かいつまんで内容をご説明すると、この方は、20歳で潰瘍性大腸炎を発病され、今も健康とは言いがたい状態だそうです。そして、重い病気や大変な経験をした人達の多くが、「辛い経験だったが、結果成長できた」等と経験をプラスに語る傾向がある…と指摘されています。 

 

 

頭木さんご自身、取材を受ける際に何度も「病気になってよかった」という態度を求められ、「今は良くなられたんですよね」等と「立ち直りの物語」を発信するよう、微妙に圧をかけられ続けているそうです。病人は弱い立場なので、そのような風潮に迎合するようになる。そして社会全体に、辛い出来事に落ち込んで、回復の時間が必要な方々に対してそれを良しとせず、「突然立ち上がれ」と促すような傾向がある、とも。 

頭木さんは続けて、このような風潮の根底には「自分もいつか倒れることがあるかもしれない」という恐怖がある、と推察されています。病気になっても、失うだけではなく、立ち直れるだろう(そうであって欲しい)という訳です。そのような恐怖や不安が、皆に受けやすい(要するに「売れる」) “美談”の型への誘導につながる訳です。

 

全米が泣いた!」

 

大病を経験された方々は、「その体験を糧に成長した」という“泣ける美談”を提供して、「観客の皆様」をいい気持にさせるために罹患した訳ではないのです。そして、辛い記憶の(自分の中での)意味づけを変えよう!とする考え方は、近年流行しているアドラー心理学の影響がある気がします。アドラーがどうというより、人間には、打ちひしがれて立ち直れないままでいる“自由”だってあるのです。 

 

アドラー先生(※ちゃんと読んだことはないです)

 

そういえば、学生時代(遥か昔…)の友人達がとても前向きな人達でした。それは良いのですが、ネガティブな私の発言を頭から否定してかかるので、当時はイライラしたものです。こちらも凄~く後ろ向きでうっとおしかったのだと思いますが、もうちょっと寄り添って欲しかったものです。

ま、自分が愚痴を聞かされる立場になれば、そういう発言を何度も聞かされるのは、やっぱり嫌ですが。

 

ポジティブも時と場合による

 

当時の話に戻りますが…自分は弱かったので、そんな友人達に迎合して、一旦は”前向きになった”振る舞いをしましたが、色々上手くいかず…結局はもう会わなくなりました。

 

そう言えば、3.11.の震災でも、震災やそれに付随する津波の甚大な被害直後から、多くのマスゴミ共が「復興」をお題目のように唱えている様に凄く違和感を感じたものです。あれは、ショックを和らげようという意図もあったと思いますが、異様でした。

 

「復興」だの、「乗り越えた」だの…2011年から何年も経過しても、行方不明の家族の手がかりを必死に探し続ける被災地の方々に対しても、そんな言葉でくくりたいのでしょうか?乗り越えることばかりがそんなに推奨されるべきでしょうか?

 

人の苦闘を安易に”消費”するな

 

そりゃあ、乗り越えられたら良いでしょうが、物事には段階と言うものがあります。せかすなんて論外です。

 

各自の人生の中で避けがたく起こる、辛い経験をどう受け止めるかはご本人の問題です。「いつも明るく前向きに」という強迫観念こそが、現代の病理かと考えます。 

 

 

…というところで止めようと思っていたのですが。

関連するところで、ちょっと話題がずれる話をおまけに。

 

上記のように、ポジティブ傾向が強い人にもやもやすることがあったので、今回、「ポジティブ 欠点」というキーワードで検索すると、結構いきすぎたポジティブ思考の人が持つ欠点について知ることができました。例えば、

  • 失敗から学ばない
  • 無責任だと思われることがある
  • 人の話を聞かない

…なんてね。

 

で、話が飛びますが、故 (プロ野球の)野村克也監督と沙知代夫妻の組み合わせ、私は前から興味があったのですよ。皆さんご存じのとおり、沙知代さん、サッチーは色々とアレな人でした。

 

『女性自身』公式サイトから引用

 

つらつら考えるに、ノムさんにとっては、サッチーは唯一無二の、得難い伴侶だったのだと思います。しかし、「周囲の関係者」に与えるダメージが半端ない(笑)場合、この結びつき、トータルで本当に良いものなのか?と頭をひねってしまいます。

 

何せ、ノムさんは息子の克則氏にさえ「何で結婚したの?どうして離婚しないの?」と聞かれるくらい(※克則氏にとってはサッチーは実の母)。

 

でも、マイナス思考の傾向が強いノムさんには強烈なプラス思考の体現者であり、ぐいぐい引っ張ってくれる彼女は絶対に必要な存在だった。彼女の「大丈夫よ」「なんとかなるわよ」という言葉にノムさんは何度も救われてきたとか。

で…上記のポジティブ思考の人が持つ欠点を再掲します。

  • 失敗から学ばない
  • 無責任だと思われることがある
  • 人の話を聞かない

…これ、サッチーそのものじゃないですか(;´Д`)

 

昔、色々過去のことを引きずったり悔やんだりする私に、ある方が野村沙知代を見習え」と言ってくれたことがあります。まだサッチーが存命で、脱税だ学歴詐称だ、で世間から猛バッシングを受けていた頃です。

その人は、続けて「あの人は、徹底して”今”にしか生きていない、過去にパンパンをやっていたこととか、息子に暴露本書かれて、過去のことを指摘されて非難を受けても、( ゚Д゚)ハァ?としかならない。」「皆、あの人を非難するけれど、あれはあれで学ぶべきところがある」…と。

 

成程ねえ…

 

当時の私は、普通のこと言ったつもりでも「なにそのネガティブな言い方、ヽ(`Д´*)ノ ヤダァ!!!」と呆れられたりしたものですが(;´・ω・)、今はそれと比べて、成長できたかな?

 

でも、現実逃避レベルのゆがんだポジティブシンキングは結局反動がくるから、時には怒り、嘆くこともしっかりやってから、自分の出来る範囲でささやかなことに感謝することを意識づけしていこうと思います。

 

『デイリースポーツ オンライン』公式サイトより引用

 

それでは、また!

2023年8月 石川県旅行⑤(金沢_おまけ)

読者登録してくださった方のブログの読者になりたいけど、え?どこで手続きすればいいか不明…( ;∀;)

 

さて、2023年8月の石川県旅行(能登・金沢)の振り返り、完結編です。

 

暑かったです…

 

金沢行を決めた際、是非寄ってみたいお店がありました。

 

相互でブログの読者登録をしてお世話になっている、ライダーマン (id:deechiyan) さん。いつも、金沢・ ひがし茶屋街の九谷焼漆器などの加賀伝統工芸品を扱うお店、「東山あいおい」・「久りゅう東山」のオフィシャルブログ「古美術店photographerライダーマンのGALLERY」にて、日々発信をなさっています。

 

deechiyan.hateblo.jp

 

せっかくだから、寄って見よ~、できたら、ちょこっと買い物を…と思っていましたので、金沢滞在中に、ひがし茶屋街へ足を運びました。

 

まず、「東山あいおい」へ。

 

東山あいおい 外観

 

丁度、普段使いのガラスのコップが欲しいと思っていたので、良いのないかな…(´∀`*)ウフフと思って入店したのですが…

 

…(自分には)高級すぎ!ヾ(・ω・`;)ノ

私、このお店が想定する客層じゃない!明治大正期からのアンティークグラスなんて怖くて使えないよ(;´Д`) もっと気楽に使用できるコップで良いんですよ(´•ω•`; )

他の磁器や漆器もデザインは良いけどお値段が(以下略)か、お値段手頃だけど、デザインが自分にはビビッとこない…で、結局こちらのお店は何も購入できず、退散しました。

 

で、近隣にある、姉妹店の「久りゅう東山」にも足を運びました。

 

久りゅう東山 外観

 

とりあえず、ガラスのコップはまた今度にして、折角金沢へ来たから、漆器九谷焼の小皿でも購入しようかと物色しました。こちらのお店もお金持ち向きですが(笑)

 

で、決めたのがこちらの漆器の皿。和菓子をいただく時に使おうかと。

 

昭和初期のアンティーク…だったかな?

 

お値段は…私の手に届く程度です。ご想像にお任せします。

 

恥ずかしながら、今ブログを書いていて、「あまり使っていないな」と反省しました。もっと意識的に使わないと;「特別な日用」にすると、しまい込んじゃうんですよね。

 

以上で、2023年8月の石川県旅行記は終りです。ここまで読んでいただいた方、有難うございました。

 

その他の石川旅行土産の一部

 

それでは、また!

 

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