青海のブログ

本や映画、展覧会の記録と感想等。時々、発達障害について。

『The Still Point – まわる世界の静止点』展 感想

本日は、午前中涼しい…と思っていたら、午後は結構暑かったです。

 

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東京・九段にある登録有形文化財、旧山口萬吉邸

 

さて、8/27午後に東京の九段北にあるレトロ建築『kudan house』にて開催の展覧会、『The Still Point – まわる世界の静止点』展 を鑑賞してきたので、その感想をここに記します。

 

【目次】

 

『kudan house』とは

 

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格差社会~( ゚д゚) 、ペッ」と感じながら鑑賞

 

東京・九段にある登録有形文化財の歴史的建築である洋館(※中は和室もある)、旧山口萬吉邸をリノベーションした会員制の"ビジネスイノベーション拠点"だそうです。

 

kudan.house

 

なんだかお高くとまっている感じがする施設です。通常では、私などにはご縁がない感じの場所かと思います。

でも、レトロな洋館が大好きな自分としては、これだけでも惹かれてしまいます。

 

『The Still Point – まわる世界の静止点』展 について

銀座 蔦屋書店アートギャラリーTHE CLUB マネージングディレクター、⼭下有佳⼦キュレーションのもと、「時/とき」というテーマで、時代や国籍の異なるアーティスト19組を紹介する展覧会だそうです。

 

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展示されるのは、李禹煥杉本博司河原温、宮島達男などの現代美術作品から、民芸運動に参加した木工家・漆芸家の黒田辰秋の螺鈿の茶器等もあります。これらが歴史的なおハイソレトロ建築に超カッコよくキュレーションされているのです。

 

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作品も良し、展示場所自体も見どころがあるというとっても素晴らしい展覧会なのです。それに加えて、この展覧会は、なんと無料のようです。障害者手帳提示もありませんでした。

 

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コロナのせいで入場は予約制でしたが、結構前から予約がとりにくい状態でした。

通常は一般人は中に入れないレトロ建築を見学できて、アートの展覧会も観られる、このせいか中々人気だったようです。実際、当日会場では、カップルが何組か来ていましたよ。おデートスポットとしても良い場所でしょうしね。

 

 

ワクチン接種の日に…

どうしよう?平日に予約して行こうか?あ、この日午後空いているわ!と予約を入れたのは8/27(新型コロナワクチン接種の日)。

 

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もし副作用が出たら取りやめよう、九段へ行く途中で気分が悪くなったらすぐ引き返そう…と覚悟はしていましたが、当日は有難いことに、特にそのようなことはないまま展示も会場の建築の美しさも堪能できました。行けて良かったです。

 今の時点まで、有難いことに副作用は出ておりません。

 

展覧会について

会場内は撮影可ということで、展示品も建築の写真も撮りまくっていました。歴史ある建築と、アート作品のコラボ、良いものです。

 

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改めて、建築自体の美しさについて

展示作品のみならず、会場の建築の要所要所を舐めるように見てしまいました。

 

素敵でした。ちょっとした調度の意匠とか…

 

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和と洋の組み合わせとか…

 

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床の寄せ木細工の意匠とか…

 

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建物外装やお庭も展覧会鑑賞後に見ましたがこれも良く。

 

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『kudan house』のお庭では、現在建築家・石上純也氏の作品「木陰雲」が設置されています。木製の巨大な日よけのようなインスタレーション作品です。

これに関連して、期間中、『kudan house』内で1日3組限定のレストランが営業されるようです(スカしている~( ゚д゚) 、ペッ)

 

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maison-owl.com

 

…とまあ、こんな感じで、素敵な非日常体験を楽しむことができました。贅沢な気持ちになれましたよ。

 

~9月5日(日)まで開催(要予約)。

 

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それでは、また!

新型コロナウイルス ワクチン接種(第2回目)

皆様今週もお疲れ様でした。そして土日もお仕事の方お疲れ様です

 

さて、本日地元の病院で新型コロナウイルス ワクチン接種(第2回目/ファイザー社製)を受けて来たので、その記録です(・∀・)ノシ

 

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暑さが戻ってきた…

 

【目次】

 

1日休み取りました

1回目と同様、今回も午前中接種でしたが、副作用の可能性もあるため1日休みをとりました。前回の様子を見て、大丈夫だろうとは思いましたけど。発熱対策に、準備(ポカリ、ゼリー、おかゆ等)を一瞬考えましたが、結局何もしないまま2回目接種に臨みました。

 

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往く夏を惜し…みません

 

2回目接種…した?ホントに??

前回の教訓を元に、本日は袖が捲り上げやすいTシャツを着用して行きました。

 

aoumiwatatsumi.hatenablog.com

 

今回の接種には困惑しました。

 

というのは、注射した時の痛みが全く感じられなかったのです。

 

前回の時は、チクッと痛みは感じたし、副作用はないと言っても、翌日頃まで刺した部分の痛みは残っていました(腕は上がりました)。

 

本当に接種が出来ているのか不安になって、病院の受付に聞きに行ったくらいです。ネットで調べたら、ワクチン接種での痛みが無い方の感想(お医者さんでした)もあったので、私もそのクチかと思ったのですが、どうにも確信が持てなくて。

 

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オクラの花ですよ~

 

ついつい、肩の接種した部分をえいえいと押して、「痛くないか、え?痛くないか?本当に刺したのか?」と確認していました(※やめなさい)

 

石橋を叩いて渡るみたいですが、接種後約2週間で受けられる中和抗体検査というものを予約しました。抗体が出来ているか確認する検査です(4,000円也)。

 

副作用は?

今現在、接種後約9時間経過しておりますが、特に副作用らしき症状は出ておりません。翌日に発熱や頭痛を発症される方もおられるので、まだ油断は禁物でしょうね。

ただ、自分は接種の後30分くらい近辺で(試験対策の勉強をしながら)安静にして、その後図書館行ったり、帰宅して家事をやったりとしていましたが、それでも大丈夫でした。

 

…本当に接種出来ているのかな? (;・∀・)ダダイジョウブ・・・?

 

それどころか

午後には、都内へ出て、超素敵な洋館で開催中の(予約していた)展覧会へ行ってきました~

 

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『九段 kudan house』です

 

もう、「少しでも具合が悪くなったらすぐ帰ろう」と身構えつつ行きましたが… 幸運なことに何も不具合はなく、最後まで展示を堪能しました♪

 

展示も、会場となった建築も素晴らしかったので、後日この時の感想はアップする予定です。

 

それでは、また!

『ジュゼップ 戦場の画家』感想

もうすっかり秋の気配ですが、湿気は何とかならないのかと思っています。

 

さて、『ジュゼップ 戦場の画家』という映画を地元の映画館で鑑賞しましたので以下感想です。実在の画家、ジュゼップ・バルトリの人生を描いたアニメーション映画です。

 

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上映時の観客は私入れて5名でした


2020年製作/74分/G/フランス・スペイン・ベルギー合作
原題:Josep
配給:ロングライド
https://longride.jp/josep/

 

評価:★★★☆☆(5つ★満点))

 

1910年にバルセロナで生まれ、95年にニューヨークで没した実在の画家ジュゼップ・バルトリの人生を描いた長編アニメーション。1939年2月、大勢のスペイン共和党員がフランコの独裁から逃れてフランスにやってくる。フランス政府は政治難民となった彼らを収容所に押し込め、冷遇する。そんな中、収容所を監視するフランスの憲兵と、難民の中のひとりの絵描きの間に、有刺鉄線を超えて友情が芽生える。風刺画家オーレルの初監督作品。2020年・第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション作品。日本では「東京アニメアワードフェスティバル2021」コンペティション部門で長編グランプリを受賞(映画祭での上映タイトルは「ジョセップ」)。

(※「映画.com」サイトより引用)

 

以下、手短に感想です。

鑑賞中は、それなりに、感動して観ていたつもりですが、見終わったら随分印象が薄い映画でした。沢山の賞を受賞している作品のようですが。

 

映画で一番印象的だったのがフリーダ・カーロの腋毛(笑)

 

尺が短くて、あまり情報量が少なかったからでしょうか。セネガル兵についての説明が無かったりして(フランス内では説明不要なのかもしれませんが)、食い足りない感じ。彼らは、あんなことをしてその後大丈夫だったのかも気になります。

 

収容所内で、まだ出会っていない筈のフリーダ・カーロの幻想が出現するシーンも、必然性が分からない。ここで出てくるなら、ジュゼップの生き別れた婚約者でしょう!!


メキシコで、トロツキーのことに言及するシーンがあるのは、ジュゼップ同様、彼もフリーダ・カーロの愛人だったから?

 

勿論、ジュゼップの収容所内で「描く」ことで生き伸びた、そのこと自体は素晴らしいモノだと思います。それに対比した、フランスの憲兵達の胸糞な振舞いの数々も、その結果…なことも、訴えたいのかもしれません。


私は「収容所もの」というと、ナチス強制収容所を題材にした本、映画等いくつか経験しています。それと比べると、申し訳ないですが凄く目新しい感じはしませんでした。これはこれで極限状況だったのでしょうが。

 

後、セルジュの孫がヒップホップを聴いていたり、街中のグラフィティに目を留めて描き写すシーンは象徴的です。要するにブラック・カルチャーなのですが、「持たざる者の手による表現」という意味では、ジュゼップの収容所内での「描く」という行為に通じるものがあると感じました。

 

観ていて全体的に、人生の不可思議さや余韻を感じられることもなく…私にはいまいちな作品でした。

 

戦争とアーティストの関係を描いた映画というと、『ある画家の数奇な運命』が思い出されます。

 

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長い映画だった~

映画『ある画家の数奇な運命』公式サイト

 

こちらはモデルとなったゲルハルト・リヒターが激おこだったそうですが、3時間もある長丁場でもしっかり見入ってしまいました。時空を隔てて、思いもよらない形でリベンジがなされるところも良かったし、ラストシーンで円環が閉じるような展開もぐっときました。出てくる作品も、元々リヒターのアシスタントをされていた方(作品は実際その人が作っていたようなもの)が参加されていたそうで。

 

あらら、『ジュゼップ』感想の筈が、話が逸れましたね。

 

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夏も終わりつつあるのかな


それでは、また!

ホームレスと猫(映画『東京干潟』)

今晩は、先日、巷を騒がせていたメンタリストなんちゃらさんの炎上騒ぎで思い出したドキュメンタリー映画があるので、ご紹介します。

 

『東京干潟』

 


www.youtube.com

 

2019年製作/83分/日本
評価:★★★★★(5つ★満点))

 

 

多摩川の河口でシジミを獲るホームレスの老人。

彼は捨てられた十数匹の猫を殺処分から救うため、日々世話をしながら干潟の小屋で10年以上暮らしている。80代半ばと思えない強靭な肉体を持つ老人は、シジミを売ったわずかな金で猫のエサと日々の糧を得ている。

彼は素手で漁をする。それはシジミと共存していく為に、成長途中の稚貝は絶対に獲らないと自ら厳しく決めているからだ。しかし近年、一部の人々により無計画な乱獲が始まり、シジミの数は激減していく。映画は、変わりゆく環境の中で懸命に猫たちと生きる老人の姿を描くと共に、彼の波乱に満ちた人生へも分け入っていく。炭鉱町に生まれ、返還前の沖縄で米軍基地に憲兵として勤務し、本土に帰国後、建築関係の会社を起業し、バブル期の東京の街を作りあげてきた男の人生。2020年のオリンピックを目前に控え、干潟には橋が架かり、沿岸には高層ホテルが建てられる。変わりゆく東京の姿を彼は複雑な思いで見つめる。

昭和から平成、そして令和へと時代が移ろうなかで、都市の “最下流多摩川の河口から、一人の人間の生き様を追いつつ、環境破壊・高齢化社会・格差問題・ペット遺棄など、様々な日本の現在(いま)を浮き彫りにする。

 (映画公式サイトより引用)

 

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猫が沢山出てきました

 

超おすすめです。

 

メンタリスト某さんの発言については、色々とツッコミどころがあるのですが、この映画に出てくるおじいさんのように「捨て猫の世話をしているホームレス」についても「どうでもいい」、「邪魔だし」、「臭い」と切って捨てるのでしょうか。

 

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保護猫を助けることは偉いと思います


ホームレスと共生している猫たちだって、「臭い」かもしれないですよね。


この映画、是非メンタリストさんに観ていただきたいです。

というか、いいから観ろ! ととにかく見せたい。

 

映画で、多摩川河口の干潟でシジミを獲るおじいさんは、もう80代。
映画は、この一見"社会の最底辺"にいるようなおじいさんの人生を追うことで、戦後日本のこれまでの歩みばかりか、これからの日本社会の在り方を問うという広がりを見せます。基本映っているのは多摩川河口のおじいさんの小屋(セルフビルド!元建設業!)とその周辺なのに。

 

おじいさんはやみくもにシジミを獲る訳ではなく、一定の大きさを満たさない個体は、寄り分けて川に戻してやります(この時のおじいさんの優しそうな振舞い!)。

 

しかし、漁師達や他のシジミ獲りの人達の後先考えない乱獲、河川の工事でますます大事な収入源のシジミは減少し、切迫している現状が映画で分かります。

 

それなのに、十数匹の捨て猫の世話をやめません。何故と聞かれて

 

「だって、こいつらにも生きる権利はあるもの」

 

と当たり前のように答えるおじいさん。

 

ねえ、メンタリストさん、聞きました?どう思いますか?この言葉を。

 

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猫~

 

猫は、おじいさんのことを餌を得る手段としか思っていないのかもしれません。
でも、おじいさんと交流する生き物は、猫だけではありません。野生の鷹だかハヤブサ?だかが時々おじいさんの小屋に(小屋の中まで!)やってきます。通い慣れた感じ。分かるんですかね。この人は信じてよいのだと。

 

また、このおじいさんがとても謙虚なのです。自分の人生の特異性を自覚されていないです。おじいさんへ寄付がしたいですが、出来ないのかな?ちょっと前にTシャツ購入で貢献できるみたいでしたが、こういう人にこそ寄付がしたいです。

 

お金は大事です。お金をなめてはいけません。
でも、多額の納税をして社会にとって"有用"に見えるメンタリスト様より、この映画のおじいさんの方が遥かに上等な人間に見えるのは何故なのでしょうか。

 

気が向いたら『東京干潟』、観てみてください。

 

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生きている限りは生きる

 

それでは、また!

マザーハウス本店特別企画『はじまりのバッグ展』感想

今晩は、昨夜はあまりの寝苦しさに真夜中に目が覚め、エアコンでドライにかけて何とか寝ました。

さて、秋葉原駅の近くのマザーハウス(MOTHERHOUSE)本店で開催中の、『はじまりのバッグ展』へ行ってきましたので、その感想です。

(※以下、会場は許可を得て撮影しております)

 

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本店の一角にこぢんまりと展示

 

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げ、当時25歳だった山口絵理子さんが起業されて、2006年にバングラデシュで始まった、モノづくりのブランド、マザーハウス

 

私は、12、13年位前からファンですが、本当に良く頑張って来られたなあと思います。

 

マザーハウスのはじめての直営店が
オープンした記念日である8/21(土)から、
マザーハウス本店特別企画『はじまりのバッグ展』がスタートします。

この企画展では、創業した2006年から2008年にかけて
制作したバッグの展示にはじまり、
デザインとモノづくりの哲学の変遷を展示。

そして、それらのバッグの向こう側にあった
途上国の魅力ある素材との出会いや
ビジネスとデザインの間で揺れ動いた葛藤が伝わってくるような、
そんな内容になっています。

創業から15周年を迎えた今だからこそ、
マザーハウスのモノづくりの原点を、
あらためてみなさまにお伝えできればと思います。

マザーハウス 公式サイトより引用)

 

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時期とその頃出たシリーズ毎に展示

 

ブランドの歴史の中で、始めの頃に発表されたバッグが、その頃の気付きや転機の説明と共に、展示されています。

 

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ジュートという素材の特性を生かすようになった頃

 

総じての感想は…「う~ん、ダサい!!」(笑)

 

初めてマザーハウスのことを新聞で知って、店舗に行った頃は、まだ理念が先行した商品で、あまり欲しいと思わなかった記憶があります(経済力も無かったけど)。

 

その後、新ブランド「マイティガル」の立ち上げ、「ハナビラ」シリーズの発表頃から、どんどんデザインも美しく購買欲をそそるものになっていった記憶があります。

 

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訴えたいことが空回りして受けなかったというシリーズ

 

見た目だけではなく、製品としての縫製等も進化したのでしょう。蝶のデザインのバッグを持っていたら、通りがかりの元バッグ作りのプロに「いいバッグですね」と褒められたことがあります。

 

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バッグのデザインスケッチ

 

私も、ずっとマザーハウスの製品をコンスタントに購入出来ていた訳ではなく、それなりに浮沈を経験しましたが、今も、バッグや財布、ポーチ等使っています。

 

マザーハウスは、代表の山口さんが、デザインも手掛けておられます。アパレルでCEOがデザイナーも兼ねるのは、「コム・デ・ギャルソン」の川久保 玲さんの例もありますが、他にはあまりないそうです。

会場には、山口さんが会社のデザインルーム(日本やバングラデシュの)で実際に使用されている画材や、作業服も展示されていました。

 

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代表の山口さんが実際使用している画材類

 

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山口さん着用のスモック

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バングラデシュでの写真も展示されていました

 

展示を見終わると、お店の方から以下のカード状の展覧会チケットをいただきました。

 

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いただいたチケット。裏返すと…

裏面に「Keep walking」とプリントされた下に山口さんご自身のサインが!!

 

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山口さんの手書きサインが!!

 

…ホント、こういうところが、山口さんを、またマザーハウスを好きなところ。一生懸命サインされていたそうです。うふふ。

 

…ところで、山口絵理子さんは素晴らしい方だと思いますが、大部分の人は、彼女の生き方の下手な真似はしない方が良いかと思います。死にます。冗談抜きで。

 

 

 

 

皆、各自で出来ることをして貢献していけば良いかと思います。

 

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我が家のマザーハウスの製品

 

それでは、また!!

『Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる』展、『ポコラート世界展 偶然と、必然と、』 感想

本日は一日中曇りだと言っていたのに、晴れて暑くなったり曇ったり。

さて、8/19の展覧会巡りの報告続きで、東京都美術館『Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる』展、アーツ千代田 3331『ポコラート世界展 偶然と、必然と、』に行った感想です。

 

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東京都美術館前にて


本記事でこの日の展覧会感想は最後となります。

 

8/19に、上野・御徒町エリアで展覧会巡りをしてきました。

 

 

aoumiwatatsumi.hatenablog.com

 

aoumiwatatsumi.hatenablog.com

 

東京都美術館にて、『イサム・ノグチ 発見の道』展の鑑賞を終え、そのまま同館内にて開催の『Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる』展へ入場、鑑賞しました。

 

この展覧会も見応えありました。

 

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左側の写真は増山たづ子、右はズビニェク・セカルの作品

 

www.tobikan.jp

 

本展でご紹介するのは、表現への飽くなき情熱によって、自らを取巻く障壁を、展望を可能にする橋へと変え得た5人のつくり手たちです。彼らにとって制作とは、より良く生きるために必要な営みであり、文字通り精神的な糧(かて)というべきものでした。詩人の吉田一穂(よしだ・いっすい)は「熱情とは砂すら燃やすものだ」と詠(うた)いましたが、彼らのひたむきな情熱も驚くべき強さを秘めていたのです。

(※展覧会公式サイトより)

 

本展覧会は、映像作家のジョナス・メカスは知っていましたが、他は初めて知る人ばかり…と思っていたらシルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田さんの御主人は、私のちょっとだけ知っている彫刻家さんでした。

 

個人的には、ズビニェク・セカルの彫刻作品がダントツで良かったです。あの閉塞感とオブセッション

 

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展覧会ちらしより

 

それから素晴らしかったのは、プロのカメラマンではないのに、住んでいた岐阜県徳山村の写真を「記録のために」アルバム600冊分(!)撮りためた増山たづ子さんの展示。

 

↓こちらのページでたづ子さんの写真が結構見られます。

damnet.or.jp

 

村がダムで水没することが決まり、もし出征したきりの夫(インパール作戦でおそらく亡くなられている)が"戻ってきた時に、村がどうだったか見せられるように"と還暦を過ぎてから撮り始めたそうです。

今回展示されている写真は総計10万カットにも及ぶ中のほんの一部でしょうが、村の人々やその暮らしぶり、風景、季節ごとの風物が余すことなく収められています。

 

もうこのたづ子さんの生き様に圧倒されました。展示されている写真が、またプロの写真家ではないから、サイズも家庭用の小さなものばかり。でもその集積を目の当たりにすると凄いとしか言いようが無い。2006年、彼女が亡くなったその同じ年に、ダムの試験浸水が開始されて、村は水に沈んだ…という話も知り、万感胸にせまるものがありました。

 

カメラに向けられる被写体の村の人々(皆知っている同士だとか)の笑顔にも心うたれます。

…まあ、私のような自閉症がこんな地域の密接なコミュニティに生まれたら、もう相当な地獄だろうなぁ…他所ごとだから一応は感動して鑑賞しているけれど、実際にこのような場所で生まれ育ったら、死に物狂いで脱出するだろうなあ…とか考えていましたけど。

 

 

…というように、鑑賞堪能して、東京都美術館を出ました。

 

JR上野駅から御徒町駅へと移動します。そこから、この日最後の目的地、アーツ千代田 3331へと徒歩で移動しました。閉校となった中学校を改修して誕生したアートセンターです。

 

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入り口は外の階段上がって2階から

 

こちらで開催中の展覧会『ポコラート世界展 偶然と、必然と、』を鑑賞しました。

 

もうこの展覧会も、とても良かったです。濃い一日であったなあ。

 

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展覧会ポスター

 

『ポコラート』という展覧会は、今回で10回目の開催となるそうです。

ポコラート(POCORART)とは
Place of "Core+Relation ART"
障害の有無に関わらず人々が出会い
相互に影響し合う場所であり、
その場を作っていく行為を示す名称です。

(※展覧会公式サイトより)

 

あきらかにプロの作家の手になる出品もありましたが、総体として、障害者(精神障害発達障害、知的障害)の手になるものが印象的でした。後は、普通に働いてきて、年を取ってから創作を始めた人とか。

 

本展覧会は、会場内撮影禁止なので、作品写真が碌に掲載出来ないのが残念です。

 

私は、武田 拓 さんという方の『はし』という作品写真に惹かれて、本展覧会へ行きました。

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展覧会公式サイトより引用

 

元々はアートとは関係ない作業から生まれたのが面白いです。それを制止せず続けさせた作業所のスタッフさん達も素晴らしい。そして、今はご本人は「はしをさす」ことにはすっかり興味を失っているという話がいかにもという感じで面白いです。

 

後は、バリ島生まれで、色々苦労した末に、年を取ってから絵(貼り絵といっていいのか?)を始めた女性の作品が印象的でした(アートの専門教育は受けていない)。

 

あれです、マッジ・ギルを思い出しました。

 

www.artpedia.asia

 

そう言えば、このバリ島の女性も、マッジ・ギルも、自分の子供を亡くしているのでした…

 

8/19(木)の展覧会巡りのご報告は、これで終わりです。

 

今後もコロナに気を付けて、展覧会を楽しみたいと思います。

 

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あちいですね

それでは、また!

『イサム・ノグチ 発見の道』展 感想

本日は、久し振りの在宅勤務で嬉しいです。

 

さて、昨日の展覧会巡りの報告続きで、東京都美術館『イサム・ノグチ 発見の道』展の感想を上げておきます。

 

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展覧会第1室にて『黒い太陽』

 

昨日、上野・御徒町エリアで展覧会巡りをしてきました。

この日見た展覧会で、このイサム・ノグチの展示が一番自分には良かったです・:*:・感(*ノ∀`*)動・:*:・

 

aoumiwatatsumi.hatenablog.com

 

国立科学博物館を出て、ランチをとった後、東京都美術館へ移動。こちらでは入館前の手荷物検査をしておりました!科博は全然やっていなかったのに!!

 

入館して、『イサム・ノグチ 発見の道』展へ進みます。

 

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展示の第1室の"あかり"のインスタレーション

 

嬉しい事に、本展は、第1室・第2室が撮影可。

第1室は提灯を元にした"あかり"を沢山使ったインスタレーションが展示されていました。皆さん(SNS用に)バシバシ撮っておられました。

 

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映える写真は上手くできません

 

第1室は、他にも様々な彫刻・デザインされたティーカップ、小さなオブジェ等が展示されていました。

 

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作品名『おんな』

 

写真には撮らなかったのですが、「淑子さん」という作品は、結婚していた山口淑子(李 香蘭)をモチーフにしていたのかなあ?

 

イサム・ノグチの生い立ちや人生については、今更ここで述べようとは思いません。ご興味があったら、ググってください。

 

展示されている作品のタイトルは余り記録する気がなかったので、掲載する写真も、タイトル無しが多いです。ご容赦ください。(『無題』が多かったような気もするけれど)

 

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第1室にて

 

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石の作品(どうやってパーツをぶら下げているのか?)

 

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第1室にて

 

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微妙なフォルムの変化、テクスチャの差異。

 

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第1室にて

 

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外側ザラザラ、中はツルツル

 

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違う素材同士の出会いが面白い

 

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鮮やかな作品も

 

彫刻作品を作ることは(彫刻に限らないでしょうが)、『空間を作る』ことなんだなあと再確認した展覧会でした。

 

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第2室にも"あかり"のバリエーションが

 

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家のインテリアにしたら素敵でしょうね

 

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第2室は金属製の作品が中心でした

 

展示室で香川県牟礼のイサム・ノグチ庭園美術館の映像が上映されていましたが、

何て素敵な場所なんだろうか…と思いました。いつか行きたい場所リストに追加することにしました。

 

イサム・ノグチの作風は、日本ならではのローカル性を大切にしつつ、普遍的な表現につながっている作品だと感じました。とてもとても美しい良い展示でした。

 

さて、この日の展覧会巡りの記録はまだ続きますが、後日に…

 

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第2室にて

 

それでは、また!!