また首都圏では、暑い日々が(お布団や洗濯物が乾かせる日々が!)戻ってきました。
さて、お盆もキーッ!と働いたので、本日やっと夏休みをとり、上野・御徒町エリアの展覧会を4つもはしごしてきました。多いので分割して感想をアップします。
本日は、以下4つの展覧会を鑑賞しました。
- 国立科学博物館『特別展 植物 地球を支える仲間たち』
- 東京都美術館『イサム・ノグチ 発見の道』展
- 東京都美術館『Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる』展
- 3331 Arts Chiyoda『ポコラート世界展 「偶然と、必然と、」』
障害者手帳があると、上野公園は1日遊べて最高です。なにせ国公立美術館・博物館(動物園も)はタダで入館できるからです。今回は、最後の3331 Arts Chiyodaの『ポコラート世界展』もタダで利用出来ました。助かります。
国立科学博物館だけ、コロナで要予約でした。では、『植物展』の感想です。
結論から言うと、大変展示内容が充実して楽しい展示でした。
夏休みだからか、子供を連れた家族連れが結構いました。自由研究のテーマに使えそうですしね。
そして、本展は会場内撮影が自由!なので、親御さんの方がエキサイトして写真をバシバシ撮っているのが見られました。私も撮った写真をここに上げます。
会場では、色々な形の植物―生きている実物のもの、標本、実寸大模型、はたまた何倍も大きな模型も―が展示されていました。写真や図、映像の展示資料も数多く、見どころ一杯。
遥か昔、植物の祖先が光合成で有機物を自ら作り出すことで、餌を求めて移動する必要は無くなりました。
が、そうしたことで生まれ落ちた場所から動けないという「縛り」が出来ました。そうして植物達は何とか生き残るための静かな闘争を繰り広げてきたのです。
(どうでもいいですが、「静」の字って"青い争い"と書くんですね)
植物が外界を様々な感覚で感知していることや、人が植物に対してしばしば持つ「癒し」「優しい」といったイメージをぶち壊すそのしたたかで奸智に長けた生存戦略や、時に見せる凶暴な振舞い、多種多様な過酷な環境で進化して生き残ってきたその様等…色んな顔を見せて貰えました。
上の写真の「ライオンゴロシ」の種は、動物の体に引っかかることで、新たな場所へ移動する戦略をとっているそうです。これがライオンの口に入って怪我をすればライオンがそれが元で死んでしまう、とのことでこの名前だそうです。
また、砂漠や高山のような水分に乏しい地域で適応した植物達もいます。
水を体に貯蔵する作りの身体、また鳥や動物たちに捕食されないように、小石のように擬態した外見…進化というやつですねえ。
水中で生き残る種もいます。
食虫植物のエリアは、巨大な模型(現在進行形で虫を捕食中の姿)も展示され、気合が入っていました。
蜜を吸う、花粉を雌しべへ運ぶ、"餌"となる…植物と関わりが深い昆虫達の展示も結構ありました。
この展覧会が良いのは、「一番背が高い植物」「長生きな植物」「一番大きい花」等、子供達を惹きつける展示も充実させつつ、植物のDNAや発生の過程や進化、光合成のしくみ等、科学的にも深い内容まで行き届いていることです。
植物の発生の過程と並べて、ヒトの発生の過程(受精卵から胎児へ)を並べて見せているのも楽しいです。
青いバラの標本もありましたが、青いキクも自然では無いものなんですね。こちらの方が私は好きかも、
そして、植物と動物のDNAは、物質としては変わらないという話は初めて知りました。
進化の話に関連して、化石の展示も沢山ありました。
この写真の化石なんて、人為的なもの―レリーフや壁画―にも見えます。
イチョウの葉の化石もあり、胸熱。そういえば、イチョウはペルム紀からある古~い種でした。
植物の人間との関わりと言う事で(衣食住と様々)、植物工場についても取り上げられていました♪
この展覧会的に一番ぐっときたのは、各大学・研究機関の植物を専門に研究する研究者達が、子供達へ向けたメッセージボードです。各自の専門分野の紹介と、研究で一番嬉しかった事等織り交ぜながら、未来の博士達へ熱い思いを伝えておられました。
この展示全体が、こういった研究者達が力を結集して作り上げたのかもしれませんね。
『植物展』に関しては以上となります。
この後行った展覧会の感想は、後日またアップしたいと思います。
それでは、また!