九州南部は、もう梅雨に突入だとか、止めて欲しいです…
さて今回は、歴史と美女についてちょろっとと語ります。
以前、某所で王昭君について話させていただいたのですが、大体その再掲です。
古代中国四大美女の一人で、非中華の遊牧民族、匈奴の呼韓邪単于に嫁がされた前漢の時代の絶世の美女、王昭君のことです(単于は匈奴の君主のこと)。
王昭君についてご存知ない方は、こちらをお読みください。
日本のお花だと、「王昭君」は、椿や花菖蒲にそういう名のものがあるようですねー。
王昭君の話は、史実ではどうだったのでしょうか?今に伝わる話は、かなり中華世界の価値観というフィルターがかかっているのではと疑っています。とにかく悲劇のヒロイン扱い、伝承によっては、義理の息子と再婚するのを拒否して自害しただの、悲惨な末路のイメージが強いです。
何より漢族の中華思想、自分達の国や文化が一番!卑しい匈奴の土地に嫁ぐなんてとんでも無い不幸に決まっている!夫亡き後その息子へ嫁ぐなんて、なんて野蛮!ケダモノ並み!絶世の美女がそんな目にあうのは壮大な悲劇!全米が泣いた!…というような色眼鏡を感じます。
大体周りの異民族には『匈奴』や『鮮卑』、『夷・戎・蛮・狄』とかネガティブな字を当てた蔑称で蔑んできた"華人"(自分達は"華人"と名乗る!)の言う事ですから…
中国歴代王朝は、実際は、非中華世界の遊牧民系勢力による割合が高い、という説もありますけど。
未読ですが王昭君を書いた小説に、窮屈な漢の宮廷から解放されて、遊牧民の処で、ノビノビと楽しく暮した、と言うものもあるみたいですよ。
上記のように、遊牧民族では、レビラト婚という風習を持つところが多いです。寡婦が亡き夫の兄弟と結婚する慣習ですが(『乙嫁語り』にもありましたね)、夫亡き後、義理の息子と再婚することもあるようです。
匈奴にもその風習はあるので、王昭君もそれに従っただけだでしょう。
でもこれが、儒教の価値観では義理でも兄弟の妻(もしくは子の妻)とは近親相姦になる!いかん!と非常にタブーとされています。何て卑しい!と大変この風習を嫌ったそうです。
実際のところは、分からないですよね。
異文化で苦労はあったかと思います。食べ物や言葉も違うし、匈奴の閼氏(単于の妻)なら、乗馬や家畜の扱いに通じてないと、色々とやりにくいでしょうし。
でも、宮中での大勢の女官達の内の1人でいるよりは、嫁ぎ先で大切にされて、幸せだったかもしれません。
…ところで、この中華思想、現在進行形じゃないでしょうか(;^ω^)
そんな中華思想に基づく史観に対して、漫画家の青木朋先生が『天空の玉座』や現在連載中の『天上恋歌』にて、非中華民族の魅力を描いておられて、楽しく読ませていただいております。
『天上恋歌』は、かなりヤバい(実際の)時代をテーマにして描かれているので、どうなるか、かなりワクワクして読んでいます(別にまわし者じゃあないですよ?)
それでは、また!