青海のブログ

本や映画、展覧会の記録と感想等。時々、発達障害について。

令和3年分医療費控除とか、職場の胡蝶蘭とか

戦争反対ですが、ロシア料理作ったりしています。

 

さて、最近済ませた令和3年分医療費控除や、職場の話です。

 

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国税庁HPより

 

【目次】

 

e-taxで初の医療費控除

私は、毎年医療費支払いが10万円超えるので、ちまちま領収証集めて記録して、いつもは地元の税務署に医療費控除申請をしていました。色々分からないことあるとすぐ職員さんに聞けるから。

 

けど、コロナ禍ということもあり、この令和3年分の申請は、e-taxでやろう!と決めていました。昨年の申告時に、「いけそう」と思ったからでもあります。IDと暗証番号もしっかり控えておきましたよ。

 

しかし!ここのところのあまりの忙しさに、一度は申請自体放棄しようかと思いました。結局頑張ってしましたが。

 

今回の反省点を糧に、医療費の記録は、医療費控除申請に合わせたものにしないと大変だと分かりました。具体的には、システムに読みこんでもらうように所定のExcelのフォーマットを元に記録していくこと。特に「医療費の区分」のところは忘れずに。

 

手間をかけた割には、還付額は「え?これだけ?」という金額で毎回「もうやめようか」と思う作業なのですが…今回初めて、この医療費控除が、次年度の住民税減額につながると知り、やって良かったと思いました。今年も、腰の治療で結構支払いがあるので(›´ω`‹ )、こつこつと準備をしようかと思います。もうちょっとお金の知識を増やさねば…

 

職場の胡蝶蘭

官公庁や、民間企業で、「大きな変化」があると、立派な胡蝶蘭の鉢が並べられるかと思います。自分の職場でも、今そのような状態になっています。

 

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1鉢何万するのだろう

 

別室にもまだまだ鉢があるんですよ。

 

綺麗だな~(*´ω`*)なんてうっとりするのもつかの間、「この鉢、時期が過ぎたらどう”始末”するのだろう」という考えが頭をよぎりました。

 

やっぱり廃棄、でしょうか(´・ω・`;)

 

色々な今後の選択肢(専門業者に買取を依頼、分別して廃棄、フリーマーケットで欲しい人に引き取ってもらう、そのまま世話する…)があるのですが、今はともかく、場所をとってしまっているし、「廃棄が濃厚」と推測しております。

 

社内で希望者が持ち帰り…するには1鉢1鉢が大きすぎるし(私でもきついです)、うちの会社、買取や引き取りの手間をかけるようなことしなさそうだし…

当社はSDGsを標榜しておりますが、こういう風習自体SDGsの観点から言うとどうなのかな~?と末端従業員ならではの身の程知らずなことを思っています。勿論そんなこと職場では言いませんけど(権限外のことですしね)。こういうコラムを拝読すると、成程と思います。

 

でも、ここまで立派に育てられて、華やかに咲いてくれた後、(株がまだ生きているのに)廃棄されるかと思うと、胸が痛みます。先ほど、持ち帰りには大きすぎると書きましたが、花部分は切り花にして、下の鉢だけにしたら、1鉢くらいはいけるんじゃね?と思うとうずうずします。(それと別に!全部と言わないから、1鉢くらいオフィスに残して世話したい!来年また咲かせられるかも‼…ですが、観葉植物の世話も担当部署が違うのでこれは諦めます)

 

「(廃棄の予定なら)1鉢いただいてもよろしいでしょうか?」と担当部署に聞いてみようかな…?

 

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立派に咲いています

 

鉢のラッピングも早く外してあげたい(蒸れて株が苦しいらしいから)と思いますが、時期的にそれは出来ない(苦笑)です…

 

それでは、また!

徒然日記(2022/3/12)

映画『テネット』は、物流関係者全員に進めたい映画ですが(監督の凄いコンテナ推しよ…!)、最近ふとしたことで再確認したら、冒頭のシーンは「キエフのオペラハウス」で始っていたことを思い出しました。嗚呼ウクライナ

 

さて、とりとめのないことばかりですが、最近の動向について綴ります。


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久~しぶりに鉢植えを日にあてました!

 

【目次】

 

春のガーデニングの準備

 

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色々ごちゃごちゃなベランダです

 

ようよう春になり、越冬のため室内に置いていた鉢植えたちをすこしずつベランダに出したり(久しぶりの日光!)、4月の植え替えの準備を進めたりしています。

古い土をまとめて(これも一仕事。鉢底石なんてある場合、いちいち取り分ける)、回収業者へ引き取りして貰う段取りもしていました。

 

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45Lの黒ビニール袋2つ分の古土

 

ベランダ(もしくは屋内で)ガーデニングをしているとつきものなのが、古い土をどうするかという問題ですが、自分の地元の自治体は、基本土を廃棄できません。1回なら再生する処置をして再利用する、またはホームセンターに引き取ってもらう(引き換えにその分の新しい園芸用土を購入すること)等、色々選択肢がありますが、面倒なので、回収を請け負っている業者さんにお願いすることにしました。実際1度再利用した土も含むので、流石にそれはもう使えません。

 

45Lのビニール袋で2袋分、大体おいくらしますか?と確認したら、「査定しないと分かりませんが、大体6,000円~8,000円くらいですね!」と。う、うぐぅ…都内から来てもらう運送費人件費考えればそれくらいするよね(;^ω^)

 

一戸建てや畑でがっつりガーデニングされていたら、季節ごとに土づくりをされるのでしょうが、とてもそこまでやってはいられません。

 

寄り添ってくれるうた

 

TVアニメ『平家物語』に嵌まっています。全11回で終わってしまうなんて、短すぎる…‼

 

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素晴らしい傑作

 

オープニングテーマ曲の『光るとき』(羊文学)も歌詞が”諸行無常”していて良い曲です。出勤時いつも聴いてきます。

 

www.youtube.com

 

以前もここに書きましたが、昨年、大きな喪失感を感じる出来事があり(※失恋にあらず)、それに関連して色々苦しい時期を過ごしたのですが、ようやく一区切りつけられそうです。しんどい時期、『光るとき』の歌詞の

 

いつか笑ってまた会おうよ
永遠なんてないとしたら
この最悪な時代もきっと続かないでしょう

(羊文学『光るとき』歌詞より引用)

 

を何度も脳内でリピートしていましたが、本当にそうです。良くも悪くも変わらないものなんてないのです。

 

この歌を、ウクライナの人々にも捧げたいです。はっきり言って、私の場合は凄く恵まれていて、ウクライナの現状と比べたら贅沢な話なのですが。

 

同様に、最近しんみり聴いていたのは、朝ドラの主題歌『アルデバラン』。

 

www.youtube.com

 

YouTubeのコメントで、「この歌をウクライナの人達へ捧げたい」というようなものがあって、本当にそうだと思いました。

 

年度末進行と資格の勉強

 

私だけではないでしょうが、今、仕事での年度末進行がヤバいです。毎日残業しています。それも、また腰を痛めた(›´ω`‹ )から、朝残業して、定時あがりで接骨院へ直行という日々を過ごしています。

 

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日商簿記2級むずかしい(涙)

 

資格の勉強(日商簿記2級)は、今年初めから続けていますが、私が理解力が遅いアホなせい&仕事の忙しさ&年のせいか疲れがとれないということもあり、進捗がヤバいです。なんとか6月の統一試験 には仕上げて受験はするつもりですが、もうその後のネット試験狙いになるのではないかと思っております。

 

かといって、あまりのんびり進めると、出題範囲が変わったりするので、できるだけ早い合格を目指したいです。簿記の勉強は好きか?と言われると「否」と答える自信はありますが(笑)、勉強していることを後悔もしておりません。

 

勉強って、良いものだと思います。

 

読んでくださる皆さんが内心つっこまれているように、そう、今の自分にはこのようなブログを書いている暇はないのですが、たま~には書きたいです(涙)気分転換!

 

今の私に必要な本

 

こんな時なのに、『9つの人生 現代インドの聖なるものを求めて (集英社新書)』なんて分厚い高い本(新書なのに、税込1,760円‼)を購入して読んでいます。少しずつ、ちびちびと。

 

 

元の本は、2009年に出版された、ノンフィクションなのですが(日本では今年初めに出版)、早くも自分の中では「今年一番」としたい位の素晴らしい本です。また後日、小出しでも良いから感想をここで上げたいですが、どうなるのか…

 

「第一章 尼僧の話」を読んだところで既に、「これは今の私には必要な本だ」と実感しました。だから、仕事と勉強の後、疲れた深夜に少しづつ読み進めています。

 

さて、夕飯の支度をしたら、また勉強を再開します。

 

それでは、また!

2月の食の忘備録

ブログの更新も、皆様のところへの訪問もできておらずごめんなさい。年度末進行で忙しい忙しい、その上、また腰を痛めました(›´ω`‹ )…

 

さて、2022年2月の食の記録です。

 

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お店でも食べたことが無かった天津丼

 

ふと、天津丼食べたい!と人生初の天津丼が自炊で、となりました。

 

金曜日の夜は、ニンニクの丸ごとホイル焼きとか食べられるのが嬉しい(笑)

 

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右手前がニンニクホイル焼き

 

上の写真手前は厚揚げ。レモンハイボールと一緒にいただきます♪

 

料理研究家リュウジさんという方のレシピで、生の白菜サラダを作りました。味は…まあ普通です。結局、白菜は加熱が一番だなあと感じました。

 

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ゴマダレとかかけて、ハイボールのつまみに

 

枝元なほみさんのレシピを参考に、クリームチーズ入りシチューを作りました。

 

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トーストと一緒にいただきます

 

鯛のアラが凄く安かったので、潮汁作りました。

 

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どーん。と、鯛のアラ

 

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鯛の潮汁。身は除きました


出汁がらの鯛のアラは、たんかんのハイボールと一緒にいただきました。

 

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皿上の黄色いものは、だし巻き卵

 

上の写真のだし巻き卵は以下写真のものです。

 

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味は一応良いのです

 

塩豚好きです。豚バラを塩豚に仕込んでおいて、フレンチの「プティ・サレ・オ・ランティーユ(塩豚とレンズ豆の煮込み)」を作りました。

 

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どーん。

 

NHK『ガッテン!』で紹介されていた、マッシュルーム・スープにちょっとはまりました。かさの内側を上に向けて、軸をねじって取ることで、カサの内側が凹状になったところへ塩をふります。

 

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アルミホイルを下に敷くと良いです

 

後は、オーブントースターで加熱するだけです。

 

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加熱後。スープがたまって(^p^) ジュルリ

 

凄く疲れ果てた時のケーキは有難いものです。

 

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中身はチョコムース。上にはピスタチオクリーム

 

カレーに納豆って合うよな~、ということで、家庭でも○コイチでも納豆トッピングは結構好きです。

 

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これは家カレーで

 

もう過ぎた話題でしょうが、気が付くとピスタチオやオートミールが流行っていたことに戸惑っていたりしているくらい世事にうといです(笑)そしてもう春ですね。

 

それでは、また!

私にとって障害者雇用制度は、自ら「異常な人間です」と先にアピールするためのもの

さて、タイトルで出オチですが、障害者雇用について語っています。

 

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こういう人の輪が辛い人間もいるのです

 

私個人にとっての「障害者雇用制度」というものがこうだと言いたいだけです。

 

以前SNS上で、障害者雇用という言い方が差別的に聞こえる、という意見を出された方がおられたのですが、自分は差別的で結構と思っています。

 

差別というか、”区別”でしょうか。自分の身の安全は確保したいですが、「自分たちと違う存在なんだ」と”区別”はしていただきたい。

 

健常者達*1から自分たちと一緒なんだ、とは間違っても思われたくありません。そんなの不幸の元ですから。

 

だって、実際に違うんだし。

 

私などは、障害の程度は軽い方で、恵まれているのでしょう。障害が重い人と比べても、出来ることは多いです。

 

でも、健常者とは(一見差異が分かりにくいですが)決定的に違う。

 

ただでさえ、私程度の発達障害者は一見普通に見えるます。最初は周りから「自分達と一緒」と見なされ、後から、”異常なものを見る目つき”*2で見られることを何度も経験してきた身には、初めから「私は異常な人間です」とアピールして、”区別”していただくという点では、障害者雇用という「烙印」は有難いことです。

 

「みんな一緒」って思いたがるのって、ある種の暴力だと思うのですが、調べたら行動経済学においてハーディング現象(Herd behavior)という傾向が論じられているのですね。

www.nomura.co.jp

 

なーんだ、周りに合わせたがるのって日本人だけじゃないのですね。

 

ところで、全然障害者雇用と関係なさそうですが、”差別”と”区別”というと、五木寛之さんの小説『青年は荒野をめざす』の中に出てくるパリ在住のレッドという黒人のジャズマンのエピソードを思い出します。

 

うろ覚えですが、レッド曰く、アメリカにいた頃は、自分は酷い差別を受けていた。パリでは、そんな扱いを受けず、最初は嬉しかったが、人間と犬位の”区別”を受けているような気がする。アメリカでの”差別”を受けていた日々の方が、自分が同じ人間同士として扱われていたような気がする…というようなことが書かれていました。

 

それも何だか複雑…このヨーロッパ社会が見せる”区別”は凄く冷ややかなものを感じます。

 

でも、自分としては、(今いる日本の)職場では「あの人は自分達と異なるカテゴリーの存在なんだ」と”区別”をしていただき、そっとしておいてもらう方が嬉しいと思いますけどね。それこそが合理的配慮

 

後、障害を「障がい」と言い換える向きに、違和感を感じています。私にとって、この特性は「害」そのものでしたから。今後も障「害」という言葉はガンガン使っていきたいです。”ギフテッド”とか口が裂けても言いたくない。このように生まれてしまい、この通り今まで生きてきたという事実があるだけ。そこをなんとかポジティブに捉えて生きようとする姿勢には(悪いけど)共感はできかねます。

 

ただ、今の時代に早い段階で障害と診断された若い人達は、そのことで自分を貶めず持って生まれた力を上手く発揮できたらいいだろうな、と思ってはいます。

 

*1 この「健常者」という定義も微妙ですが…障害はグラデーションなので、完全に健常者と障害者と2分出来ないのが悩ましいところです。

*2 これ、異常な”人”ですらなくて、異常な”もの”扱いなんですよ、もう。

 

それでは、また!

岩波ホール『ジョージア映画祭2022』画家ピロスマニの映画3作 感想

正月の頃は自宅マンションからくっきり見えた富士山も、最近は霞んでいます。まだまだ寒くても、春が着実に近づいてきているのを感じます。

 

さて、今年7月に閉館することが決まった岩波ホールにて開催中の『ジョージア映画祭2022 コーカサスからの風』の「放浪の画家ニコ・ピロスマニ特集」上映日に鑑賞してきたのでその記録です。

 

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自分としては”グルジア”(今はジョージア)と言いたい

先月1月30日に行ったのですが、盛況でした。ブログに書くのは「そのうち」と思っているうちに随分時間が経ってしまいました(;'∀')

 

iwanami-hall.com

 

【目次】

 

放浪の画家ニコ・ピロスマニ特集

私が観に行ったのは「Bプログラム 放浪の画家ニコ・ピロスマニ特集」の日で、ジョージアが誇る画家ニコ・ピロスマニの映画3作。他の上映プログラムも魅力的でしたが、時間がなく、これのみにしました。

 

  • ピロスマニ(ギオルギ・シェンゲラヤ監督/1969/カラー/86分)
  • ピロスマニ・ドキュメンタリー(ギオルギ・シェンゲラヤ監督/1990年/カラー/49分)
  • ピロスマニのアラベスクセルゲイ・パラジャーノフ監督/1985/カラー/23分)

 

このピロスマニ特集、岩波ホールでは今後2月19日(土)13:00、18:30に上映予定です。

 

ピロスマニについて知ったのは、いつのことだったでしょうか?おそらくピロスマニが大好きな、絵本画家のはらだたけひでさんの著書か何かがきっかけだったと思います。その後高山なおみさんの本『諸国空想料理店―Kuu Kuuのごちそう』に寄せられた、南椌椌(みなみくうくう)さんの文章でも、ピロスマニへの偏愛が語られていました。『堀内誠一の空とぶ絨緞』の中でも、ジョージアへ旅行された際に、この画家のことが言及されていた記憶が。

 

以下リンク先でピロスマニの生涯(英文)と、作品画像が見られます。

Niko Pirosmani

 

 

 

 

この映画祭は、長年岩波ホールに勤務された後退職された、はらだたけひでさんの尽力によるものと伺っています(はらださんのtwitterで知った)。そして、私ははらださんの著書『放浪の聖画家ピロスマニ』で、シェンゲラヤ監督の映画『ピロスマニ』を知り、いつか観たいと思っていたので、このチャンスを逃すか!と行ってきました。

 

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はらだたけひでさんの著書を持ってきました!

 

 

映画感想

ピロスマニ

まずは、シェンゲラヤ監督の映画『ピロスマニ』を鑑賞です。ピロスマニの生涯を元に創作された映画で、彼の絵をそのまま映像化したような世界でした。

 

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映画「ピロスマニ」ポスター

 

絵にあるように、首をカットされた豚(ひっくり返っている)、テーブルに集い飲む男達、彼が恋したという女優が出てきます。そして(これは絵には描かれていないけど)ジョージア伝統ののポリフォニーや、ダンス。

 

静謐で、美しい謎に満ちた映画でした。

 

ただ、昔の私なら、この聖画家の清廉な生き方に感銘を受けるばかりだったでしょうけど、商売(や俗世で普通に稼ぐ生業一般)を芸術の下に見ている様子にもやもやしました。

 

友達と、食料品店始めるのですが、商売の最中に、干し草を運んでいる馬車を見ると、店をおっぽり出してすっ飛んで行くんです。「干し草をベッドにして寝たいんだ」というようなことを言ったり。

後年、街の酒場に絵を描いて生計を立てるのですが、お店の人達への態度とか…芸術家だからしょうがないのでしょうが、”伯爵”と言われるだけのプライドの高さ。

 

どちらかというと、私は二コラ(ピロスマニ)側の人間だし、芸術はとても大切なものだと思っています。

 

でも、この娑婆でお金を稼ぐことがどんなに大変か身に染みている身としては、商売を卑しいものと見なしているように見えて、素直に頷けないところもありました。商売なめんな~、やる気あるんかい二コラ~、したたかに、時にずる賢く立ち回って生き残ることの何が悪い、と言いたくてしょうがなかったです(立ち回り下手だけど)。

 

しかしながらこれは、永遠のテーマ(芸術と生業との相克)…映画自体は、とても良かったです。

 

ネットの他の方のレビューで拝見したのですが、この映画、常に曇っている天気を狙って撮影されたとのこと…言われてみれば!

それに、友達と経営していた食料品店のロケーションも、草原に他に何もないところにぽつんと配置されていますが、ドキュメンタリーで実際の店の写真を見ると、普通に街中に建っていました(そりゃそうでしょうね)。このように、かなり計算して作られている映画だという印象を受けました。

 

冒頭、ピロスマニが聖書の一節を読み上げるシーンから映画が始まり、ジョージアで復活祭が執り行われている中で終わる(画家もこの時死んだ?)のですが(私は異教徒なので良く分かりませんが)意味深ですね。実際ドキュメンタリーによるとピロスマニは復活祭の直前に逝去したとのことですが、明らかにキリストとこの画家とを関連させているように見えます。

 

ピロスマニ・ドキュメンタリー

お昼休憩を挟んで、シェンゲラヤ監督の映画『ピロスマニ・ドキュメンタリー』を鑑賞。こちらは生前の画家の生涯を辿り、死後の評価についても紹介したドキュメンタリーです。

 

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ロビーに展示されていたジョージアの物色々

 

こちらの映画も、監督のジョージア愛、ピロスマニへの愛情がひしひしと伝わってきて好感が持てました。先に観た、映画『ピロスマニ』と対照してみて、虚実の差を振り返る意味でも面白いものがありました。

 

ピロスマニのアラベスク

パラジャーノフ監督は、『アシク・ケリブ』のみ観たことがありますが、この映画でも、パラジャーノフパラジャーノフしていました。この人、全然ブレない。

 

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岩波ホール公式サイトより引用

 

上記画像の女性(女優マルガリータ?)が短い登場ながらも鮮烈な美しさ。

最後、画家のパレットの上で魚(鱒?)がぴちぴちはねて終わるのも意味深。魚と言えば、キリスト教では「救い主キリスト」の象徴ですから。

 

 

私と岩波ホール

 

岩波ホールが閉館、と聞いて、大きな衝撃を受けましたが、実際は、2,3回観に行った程度なのですよね。でも、世界最大の古書タウン、神保町の文化の牙城として認識していたので、大変残念です。

 

ロビーに、これまでこの映画館で上映された映画のチラシが壁面に展示されていました。

 

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2014年に観に行った映画も

 

画像に映った『幸せのありか』は、身体障碍を抱えているにも関わらず、知性が高い青年(実在する)の半生を綴った、観ていて辛くなるけど非常に優れた作品でした。

『家族の灯り』は…ちょうど当時の仕事をクビになって、状況的にも精神的にも最悪な時に観ました。映画の内容も、救いがなく…なけなしのお金を払ってこんな暗い映画を観る私って?トホホ…な思い出があります。

 

今資格試験の勉強もあり、閉館までにまた行けるか分かりませんが、寂しくなるな…という心境です。

 

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はらだたけひでさんの私物かな

 

ジョージア映画祭2022 コーカサスからの風』自体は、~2月25日(金)まで開催予定です。

 

それでは、また!

 

源実朝と”梅の一枝”

久しぶりの在宅勤務が嬉しいです。とりあえず今月一杯の予定だそうですが、どうなるのか…?

 

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花は凛として

 

今読んでいる本『コレクション日本歌人選051 源実朝』にある、「鎌倉右大臣」源実朝と臣下の御家人、塩谷朝業の和歌のやり取りが印象的だったので、短めの感想です。梅花の季節ですしね!

 

 

今年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』やアニメ『平家物語』がきっかけで、この辺りの時代の和歌に興味が出ています。

 

とは言っても、つまみ食いなのですが、式子内親王源実朝建礼門院右京大夫等の歌をネットで検索して見ては、「いいなあ」としみじみしています。

 

梅の花ですが、昔はその美しさが良くわかりませんでした。極度の冷え性で、寒いのが苦手。初春の寒冷な空気の中で凛と咲く姿をゆっくり鑑賞する余裕がまずありませんでした。それが最近、和歌や俳句に(少しだけど)触れているので、「いいものだ」と感じるようになりました。”ことば”の力で、季節の変化に意識的になっているのだと思います。

 

今の元号の”令和”だって、『万葉集』第五、梅花(うめのはな)の歌三十二首が元ですし、つい意識してしまいます。

 

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梅薫る

 

さて、鎌倉幕府第3代将軍である源実朝ですが、前述の本によると、梅にちなんでこのような歌を詠んでいます。

 

君ならで誰にか見せむわが宿の軒端ににほふ梅の初花 

 

吾妻鏡』には、建暦二年(1212)二月一日、実朝が和田朝盛を使者として塩屋朝業に梅花一枝を贈ったという記事が見える。実朝は「誰にか見せむ」とだけ言って贈るよう命じたという。

(中略)

上句の「君ならで誰にか見せむ」という強い反語は、『古今集』の「君ならで誰にか見せむ梅の花 色をも香をも知る人ぞしる」という歌による。梅を贈られた朝業は、まさにこの「色をも香をも知る人」に当たるというのである。軒端の梅は実朝がこよなく慈しんだものであった。その初花を人に先立って見せたいと言われたのだから、朝業の喜びもいかばかりであったか。

(以上 『コレクション日本歌人選051 源実朝』より引用)

 

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贈られたのは白梅?紅梅?

 

これ、平安貴族同士のやり取りじゃないんですよ?当時東国武士の頂点に立つ(本人が望んだ訳ではなくても)武家の棟梁である青年と、それに使える御家人との間です。それが、私には逆に興趣を感じました。都から離れた無骨な東国で…と考えると味わい深いです。

 

朝業からの返歌は、以下のとおりです。

 

嬉しさも匂いも袖に余りけりわがため折れる梅の初花

(引用元は同上)

 

いいもんだな~、でも私は碌でもない人間なので、「薄い本(BとかLとかの)が出来そうなエピソード…」とか思ってしまいました、済みません(;^ω^)

 

そんな彼らのこころ豊かな交流も、約7年後の建保七年(1219)正月二十七日、実朝が甥の公暁に暗殺されることで終わりを迎えます。今の西暦で言うと1219年2月13日です。

 

そう、もうすぐ実朝の命日なんですよ。

 

しかも、彼の父である源頼朝の命日は、昨日(実際の逝去は1199年2月9日)だそうです(これらのこと知ってブログを慌てて書きました)。

 

塩谷朝業は、この実朝の死をきっかけに出家して信生と号し隠遁した…とのことです。

 

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紅梅もまた良きかな

 

ちなみに、この塩谷朝業の母は、なんと平忠正平清盛の叔父)の孫だとか。ヒョエ~、NHK大河ドラマ平清盛」大好きな身としては、忠正おじさーん!と言いたくなりました。

 

それでは、また!!

ぜったいにころす

芥川賞作家の西村賢太さんの突然の逝去に驚いています。つい先日、石原慎太郎氏への追悼文を読んで「上手いな」と思っていたのに…一寸先は闇ですね。ご冥福をお祈りいたします。

 

さて、以前はてなブログであったお題「買ってよかった2021」で遅まきながら(誰の得にもなりませんが)記事を書きます。

 

はい、フマキラー社の「カダン  K」、我が憎き怨敵カイガラムシ駆除のために購入しましたが、ホント買って良かったです。

 

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じゃーん。

 

 

冬に、屋内に取り込んでいた鉢物に、カイガラムシが取り付いて、あやうくクロトンの鉢を死なせるところでした。

以前はこんなに茂っていたのに…

 

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写真真ん中がクロトンの鉢

 

カイガラムシの被害で(私の害虫の特定・対策が遅れたせいもあって)下の写真のようになってしまいました。

 

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しょぼ~ん。

 

別の虫かと勘違いして、家にあった別の殺虫殺菌剤を塗布したり、歯ブラシで直に虫を駆除するも、どんどん葉が落ちていき、駄目かも…と一旦は弱気になりました。

 

が!上記のフマキラー社の「カダン  K」を購入、クロトンの木にまんべんなく吹き付けたら、あっという間にカイガラムシ共が全滅。こんなことならもっと早く対策すれば良かったです。

 

今は、同じ屋内に取り込んでいるニオイバンマツリの鉢に、カイガラムシがポチポチ取り付いているのを、その都度駆除しています。

 

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もうすぐ家にきて1年目になります

 

分かりにくいでしょうが、下の写真の赤丸内に、カイガラムシが…

 

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ぽちっとな

 

すぐ「カダン  K」をピンポイントでかけて、殺害です。

 

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分かりにくいけど、かけると茶色くなり死亡

 

こうやっていると、生き物の世話を楽しみでやっている人って(自分含め)、全ての生き物に対して慈愛深い訳じゃあないんだな~、こうやって、「うちの子」とそれ以外の生き物を区別しているんだな~、と思います。

 

カイガラムシは、どんな植物にも取り付く訳ではないようで、ハーブのようなアロマフィカスには全然きていないようです。これは、ゴキブリ除けにもなるくらいの匂いなので、そのせいかもしれません。

 

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スパイシーで爽やかな香り

 

ところで、私のささやかな目標「同じ植物を1年以上世話する」ことがかないつつあります(低い目標…でもいつもすぐ枯らしてきたから)

 

下の写真のサンスベリアも、もう1年以上になります。

 

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冬は極力水はやらずに

 

1年経っていないけれど、昨年凄い勢いで咲いてくれた日日草の鉢も、屋内で生きています。日日草は、1年限りと思われがちですが、越冬させれば、次の年も生き延びることができるようです。

冬なのに、小さな花まで見せてくれました。春に植え替えて、また元気に咲いてくれると思います。

 

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小さな花と蕾が

 

それでは、また!