今朝の地震、全然気づきませんでした。
さて、今回は故・ジョージ秋山先生の(タイトル不明の)作品について雑談です。
最近の「京アニ放火殺人事件」の青葉被告の死刑判決の報道に接し、思い出した漫画があります。直接この事件を思わせるような内容じゃないのですが、青葉被告を治療した鳥取大医学部付属病院高度救命救急センターの上田敬博医師のコメントなどに接して、なんだかフーッと脳裏に浮かびまして…
本記事では、うろ覚えなその漫画(タイトルも不明…)のあらすじをご紹介したいと思います。
※記憶を頼りに、なので、色々記憶違いや、改変が多いと思います。
ジョージ秋山先生が青年誌に連載されていた漫画のある回の話です。発表は少なくとも2000年代以降で(作中で携帯が使われている)、現代の東京?が舞台の、贖罪と復讐の話でした。この作家らしい。含蓄に富んだ、味わい深いエピソードでした。
しかしタイトルが思い出せない…(汗)現代日本の893の世界を中心とした話なので、ぐぐってみて『恋子の毎日』かな?と思いましたが、自信ありません。
【登場人物】
※名前も思い出せないので、以下の呼び方にします
主人公
わりとイケメンな極道の青年。ペーペーではなく、「兄貴」と呼ばれるポジションらしい。視点人物だが、この話では狂言回し的な立ち位置。
殺人犯
極道者。殺人をして刑務所に入っていたが、とりあえず出所した?らしい。妻は(事情は不明だが)いないらしい。JKの娘と老母がいる模様。
JK
殺人犯の娘(JCかもしれない)。年の割に達観したキャラクター。
被害者の兄
極道者らしい。サングラス姿(=目の表情が見えない。これは計算しての造形か?)
被害者
作中では、兄の回想シーンで少年の姿で登場。殺人犯に殺されたが、極道者だったか?(経緯は不明)
【(うろ覚えの)あらすじ】
殺人犯が、刑期を終え、出所してくるのですが、特に自分の犯したことを反省はしていないようです。
娘のJKと再会しますが(家族のいる家には戻らないらしい)、JKは父が殺人を犯した後の祖母(殺人犯の母)が、毎日仏間で被害者に向けて謝罪し続けている様を語ります。
「私の息子があなたの大切な命を奪ってしまい、本当に申し訳ありませんでした」と。毎日、毎日…
それを聞いてもいっこうに堪えない様子の父を見て、娘はこう言い放ちます。
「お父さん、人殺しをして刑務所に入っても、それは法律だよ‼」「お父さんが自分のやったことを心から悔いて反省しなければ、意味がないよ。そうしないと、”お父さんはまた人を殺すだろう”っておばあちゃん、そう言ってたよ」
それでも、この殺人犯は、「<(`^´)> ヘンッ」それがどうした?と馬耳東風。
場面変わって、主人公と、被害者の兄の会話です。
弟(被害者)を殺した殺人犯が出所してきた…との情報が早くも飛び交っています。
「弟はな、俺が育てたんだ」と、被害者の兄。回想シーンの一コマで「兄ちゃん」という少年姿の被害者の姿が挿入され、「あんな893もんに殺されて、許せる訳がねぇ…」と続ける被害者の兄。
そして、出所して娑婆にいる殺人犯と被害者の兄が鉢合わせするのですが、「ウッ…!」と自分を抑える被害者の兄。ビビったのか?といった感じで大威張りでその場を去る殺人犯。
その後、時が経ち…携帯で娘のJKとやりとりするの殺人犯の姿。角が取れた印象です。娘との交流が、彼に穏やかな人間性を取り戻させるようになったようだ…と語られます。
―そして、ある夜。
人気のない場所で、独りいる殺人犯の前に立ちはだかる被害者の兄。それを、静かに見返す殺人犯。
「この時を待っていた!」
「出所したてのおめぇを殺しても、それはけだものを殺ったのと同じだ。何にもなりゃあしねぇ」「おめぇが人の心を取り戻したところで殺る…そう決めていた」と言う被害者の兄。
抵抗せず逃げもしない殺人犯。自分がかつて何をやったのか今は理解している目です。
「覚悟はいいか?」とピストルを突き付ける被害者の兄へ、瞑目して「ああやってくれ」と応じる殺人犯…
そして銃声。別々の場所にいた各関係者達が「( ゚д゚)ハッ!」としたところで、幕。
【今振り返って】
(前述のとおり、あちこち記憶違いや改変があると思いますが)この話を振り返って、「復讐はいけません」とか「許すことが大切です」なんて言うのは、虚しいと思いました。結局こういうルールって、社会の秩序維持のためのものだよなあと。
勿論、そのルールの枠の中で私たちは守られて暮らしていますが、大切な人が殺されたり害された人に、その苦しみも経験が無いのに、分かった顔で安易に言うのは絶対に駄目だと思います。少なくとも、当事者(同じような目にあった人)から被害者やその身内に言って聞かせるのではないと。
最近、SNS上で(能登半島地震に関してだと思いますが)「「生きているだけで丸儲け」と言っていいのは大変な目にあった本人が自分から言う時だけ。他の人がかけて良い言葉ではない」という、大体そんな意味のコメントを見かけましたが、本当にその通りだと思います。そんな形ばかりの「正しさ」、そんな言葉をかける本人の自己満足でしかない物言いは嫌いです。大変な目にあった人に寄り添っていない、非人間的なポジティブシンキング。
私も、似たような経験(大変なことがあった直後に急激に前を向くよう、強いられた)があったので、上記のコメントに共感することしきりでした。
…な~んか、「京アニ放火殺人事件」からも、青葉被告からも離れてしまった気がしますが(;´・ω・)…あの事件で、青葉容疑者も一緒に焼け死んでいたら、もっと遺族の方々はやりきれなかったとおもいます。
このまま青葉被告が死刑となっても、上田医師のなさったことは決して無駄ではなかったと思っています。「ちゃんと自分のしたことに向き合え」と必死になって自分を治療し、言ってくれた人がいたことが被告にどれだけ響くかは別として。
…ますます、「結局ジョージ秋山の漫画との関連は?」と突っ込まれそうですが…(;´∀`)…
それでは、また!