青海のブログ

本や映画、展覧会の記録と感想等。時々、発達障害について。

『これ描いて死ね』1巻 とよ田みのる 著 感想

簿記2級学習というと、「工業簿記があって大変だね」と言われますが、商業簿記も大変ですよ!有価証券に、税効果会計連結会計は死にます。

 

さて、そんな勉強の合間にとよ田みのる先生の『これ描いて死ね』1巻を読了したので、簡単に感想を書きます。

 

熱いぜ‼

 

簡単に言うと、漫画を生きる糧としてきた、漫画大好きな離島住まいのJKが、「漫画って自分で描けるのか」と気づき、覚醒して漫画制作に着手するお話です。

 

作風は、とにかく熱い‼ (これはまだ素人だけど)漫画家漫画とカテゴライズしてよいのでしょうか。漫画家漫画だと、私にとっては日本橋ヨヲコ先生の『G戦場ヘヴンズドア』が至高(読むたび号泣します)なのですが、この漫画も熱いスピリットを感じて、ワクワクしています。

 

 

とよ田みのる先生の過去作品にも興味がありますが、簿記2級の試験に合格したら、読んでみたいです(›´ω`‹ ) やれやれ。

 

ヒロイン安海(やすみ)が、大好きな漫画の登場キャラ”ポコ太”をイマジナリーフレンドとしている時点で、「ヤバいやつ」と思うのですが、創作に向かう人なんて、多かれ少なかれイタイ面を持っているわけで。このポコ太との別れも先行き描かれるかと思うと、目が離せません。

 

そして一見謹厳な教師の手島先生!

 

「漫画なんてなんにもなりません!」

「時間の浪費、無駄なのです。」

「端的に言えば、全て嘘なのです」

 

と徹底して漫画を虚構で無意味なものと否定しつつ、実は安海が大好きな伝説の漫画「ロボ太とポコ太」(打ち切り)を描いた、かつての漫画家「☆野 0」だった…という展開。

 

漫画をくさしているように見えて、実は誰よりも漫画に対する熱い情熱を持っていた人です。本書収録の読み切り作品『ロストワールド』にその様が描かれます。

 

学校に漫画同好会を作りたい友人の赤福に巻き込まれた安海が先生に提出した、(ノートにボールペンで)情熱の赴くままに描き殴った「漫画作品」は、私が見てもダメダメな出来、「いいところを探す方が難しい。」なのに、「でも分かる。」「これを愛して描いている」と、その漫画への溢れる愛を感知するのは、同じスピリットを持つ者ならでは。

 

ちょっと褒められて舞い上がったJK達に対して、「漫画ナメてんのかーっ‼‼」と内心激高する様を見ても、その熱い漫画への愛は消えていないようです。

 

前述の手島先生の過去話『ロストワールド』も面白かったです。「殺意かな❤」「殺してやる‼‼」もなんだか分かる。ラブコメ作家がこんな殺意と怨念で制作していたと思うと…(笑)

 

それから、諸星大二郎先生好きはガチですか。私も大好きですよ(*´ω`*)

 

 

それでは、また!