青海のブログ

本や映画、展覧会の記録と感想等。時々、発達障害について。

花粉症とモハメド・アリ

桜の開花宣言も出て、色々な花が一斉に咲きだしました(首都圏)。写真の花はミツマタのようです。

f:id:aoumiwatatsumi:20210318093021j:plain

赤いミツマタ



今回は、春ならではの疾患に関するアファメーション(もどき)の話です。


【目次】

 

花粉症未満


暖かくなり、日も長くなって気持ちの良い時候ですが、花粉症の方々には辛い季節の到来かもしれません。幸い、自分は未だ発症が無く、「目玉を取り出して洗いたい」という当事者の方の苦しみに対しては、どうしても他人事になってしまいます。
遺伝的なものなのか、体調によるものなのかは不明ですが、未だに免れているのは後述することを心掛けて実践しているからではないかと思っています。

 

アレルギー体質なのに


私は、決してアレルギーと無縁な体質ではなく、子供の頃は目がかゆくてかゆくて良くないと知りつつこすりまくり(風で飛んでくるホコリが原因?)、長じてコンタクトを入れたいと眼科へ行けば目を診た医師に「ものすごいアレルギー。止めておいた方が良い」と言われ、猫を飼っている家へお邪魔すると凄い目のかゆみや涙・鼻水の洪水に悩まされる始末(これは大人になってからは控え目な発症となった)。数年前には、全く原因不明の全身の痒みに悩まされ、血が出る程身体をかきむしる日々を送っていました。病院へ行ってもアレルゲンは分からずじまい。


そんな私が、花粉症で悩まずに済んでいるのは不思議なくらいです。

 

アファメーションしてみた

 

f:id:aoumiwatatsumi:20210318093445j:plain

シンプルな花も良いものです



それでも、全く花粉の影響が無かったとは言いません。何度か春に目が痒くなったり立て続けにくしゃみが続いて、鼻腔の粘膜がむずむずしているのを感じて「ああやばいかな」と思った事があります。

素人がこれで花粉症の兆候だと断定するのは危険です。だからここからは私の思い込みの可能性を考慮して、話半分で読んでください。

話を戻しますと、前述したとおりの症状が出かかる時、私はいつも「この程度で済んでくれて有難うございます」と自分に言い聞かせていました。消極的な形ですが、「アファメーション(affirmation/肯定、確定、断定)」をやっていたのです。

 

気のせい?そうかもしれません。それでも、この声掛けが未だに花粉症の発症から自分を守ってくれているような気がしてならないのです。これが「私は花粉症にならない」とアファメーションしていたなら、かえって意識して発症していた気がします。それに、控え目?に言ったのが良かったのかも。


ただ、こう書いていることで、実際花粉症に悩まされている方々の心がけが至らなかったから発症したんだとか、花粉症に(今のところ)なっていない私って偉い!と言いたい訳ではありません。そういうマウントをとっていると思われるのは本意ではありません。

 

たまたま私の場合はこうだった(かもしれない)という話です。それに過去ちょっとした病気も経験したし、アファメーションが癖になっているからかもしれません。

 

言葉が全てを規定する


私は元々超が付くほどネガティブな人間です。

そんな自分をこじらせまくって身動き取れなくなった後、無理にでもポシティブな言葉を口にする時期がありました。今は、揺り戻しもあり、そこまで偏ってはいません。

 

ただ、その頃、ある人に聞いた印象的な話を覚えています。

 

インドでは、例えばずっと片足で立っている行者(起きている時も寝ている時も…トイレはどうするのか不明)や、何十年も片手を上げ続けている行者がいるそうです。

そういう人が、同じポーズをとり続ける原動力とは何か?…それは、最初に言葉で「宣言」をするのだそうです。「私は片足だけで立ち続けます」「私は片手を上げ続けます」と言って、最初はすぐリタイアしても、だんだん長く―何十年も同じポーズをして、上げた手がおかしくなっても、本人は案外平気だとか。

シヴァ神への残りの人生を捧げる為、38年間右手を垂直に挙げ続けている男(インド) : カラパイア

 

このことは、莫迦にならないと思いました。自分が言葉を発したら、一番その言葉を聞いているのは自分なんですよ。それに、アスリートが自分の能力を発揮できるように、アファメーションを取り入れているという話は良く聞きます。

 

「I am the greatest!!」


それで、以前映画評論家の町山智弘さんが語られていた、ボクシングのチャンピオンだったモハメド・アリのエピソードを思い出し、(比べるのもおこがましいですが)自分のやっているなんちゃってアファメーションともつながるものがあるのではと思いました。

miyearnzzlabo.com

 

要約すると、モハメド・アリは自分のことを「I am the greatest!!(オレは最高だ!!)」と先に繰り返し繰り返し自分にも周りにも宣言しまくって、それから試合で本当に結果を出しまくった真に「Greatest」な人だったという内容です。


アフリカ系アメリカ人である彼にとって、自分で自分のことをそうやって称えることは、当時とんでもなく革命的なことでした。奴隷として代々自己否定させられてきた「呪い」を打ち破ることは、壮絶なものだったと思います。同じアフリカ系の同朋達にも理解されなかったというから、相当なものです。

 

私が彼と同じ境遇でも、このように振舞って結果を出せるとはとても思えないです。

 

でも、これは大事な話だと思います。自分を大切に扱うことが如何に重要か。アリの逸話は、自分を大切にすることを諦めなかった真のファイターの偉大さを教えてくれます。

f:id:aoumiwatatsumi:20210318093812j:plain

桜も咲き始めました