青海のブログ

本や映画、展覧会の記録と感想等。時々、発達障害について。

『悪の華道を行きましょう』(小説・漫画) 感想

梅雨入りもはやかったせいか、紫陽花の開花もどんどん進んでいますね(まだ5月…)


さて、『悪の華道を行きましょう』(漫画)をきっかけに、原作小説も読んだので感想です。

 

f:id:aoumiwatatsumi:20210530144535p:plain

宰相(禿デブオヤジ)の髪型に注目

 

f:id:aoumiwatatsumi:20210530144625p:plain

中央真ん中の男性が宰相(奥左手)の息子。遺伝子って…

 

※注:盛大にネタバレしています
漫画版評価:★★★★★(5つ★満点))
小説の評価:★★★★☆(5つ★満点))

 

 

【目次】

 

 概要

元々は、真冬日 先生 原作の小説『悪の華道』シリーズによります。悪役令嬢が国の第一王子から婚約破棄され、懲罰のため禿デブオヤジの宰相と結婚させられつつも、まさかの前世からの記憶が蘇ったことにより、高笑いのハッピーエンドに。

その第一・第二話をやましろ梅太 先生 が漫画化したのが『悪の華道を行きましょう』、『悪の華道を追いましょう』です→連載化へ。

 

あらすじ

中世ヨーロッパのようなある王国。第一王子の婚約者だった美貌の令嬢セレスティーヌ(以下セレス)は、王子の意中のヒロインの男爵令嬢に嫌がらせを続けていたのがバレ、婚約破棄のみか禿デブで腹黒い宰相と結婚させられる。

結婚式の最中に、前世の記憶が蘇るセレス。実は彼女は、前世でプレイしていた乙女ゲームの世界の悪役令嬢に転生していたのだった。しかも、前世の彼女は、年下の男性が恋愛対象の"枯れ専"だったため、嫌悪していた宰相との結婚に、ときめきを抑えきれなくなっていた。

"いやがらせ"のために宰相と結婚させられたセレスだったが、意外にもその新婚生活は穏やかで…?

 

感想

漫画版面白かった

ネットをしているとしつこく広告が出る為、つい『悪の華道を行きましょう』・『悪の華道を追いましょう』を電子書籍で購入し、読みました。短っ! だから安かったのですね。でも短い中に、エッセンスがギュッとつまった良作でした。

面白かったので原作小説も拝読しましたが、小説の良さをやましろ梅太先生(絵も綺麗!)が上手く漫画にしていて、上手いなあと思いました。

 

最悪の"いやがらせ"だった筈の結婚が、前世の記憶が蘇ったヒロインの嗜好のせいで、"ご褒美"となってしまったおかしさ。まあ、枯れ専なのに乙女ゲームやるのかい、といささか腑に落ちない所もありましたがー。

禿デブオヤジの宰相のキャラデザも、上手く、読んでいてだんだんかわいく見えてきます(笑) 悪の華道を突き進む宰相夫妻にほっこり、ニヤニヤ。悪役令嬢(途中からは"悪役マダム"へ)セレスが決して善人ではないところも好感が持てました。

 

原作小説も読みました

真冬日 先生の原作『悪の華道』シリーズも、通して拝読しました。面白くはあったのですが、段々、話が進むにつれて、主人公夫妻のチートぶりが鼻について、感情移入しにくくなりました。あそこまでヒロインを持ち上げなくても良かったのでは?盛り過ぎだと思ったので、評価は★1つ減らしました。

あ、小噺『『悪の華道を描きましょう』の絵描夫婦のその後』は結構好きです(かなり酷い結末だけど)。

ノイエ版銀英伝のフリードリヒ4世について

話がはずれますが、私は『銀河英雄伝説』がそこそこ好きです。
「そこそこ」というのは、原作は読破しましたが、旧作アニメ(石黒監督版)は、一部視聴しただけ、新作アニメ『銀河英雄伝説 Die Neue These』も同様というレベルだからです。漫画は道原かつみ版は大体読破し、フジリュー版は途中まで読んだ程度。

 

 

 

 

 

その程度のファンと言うには足りないレベルの人間がいうことですが、『銀河英雄伝説 Die Neue These』の最大の問題点は、銀河帝国の神聖にて不可侵な存在の皇帝、フリードリヒ4世のキャラクターデザインだと思っています。

f:id:aoumiwatatsumi:20210530150538j:plain

ノイエ版銀英伝のフリードリヒ4世…のつもり

私から見ると皇帝陛下のルックスがそう悪くない、むしろノーブルな容貌でスタイルも良い素敵なじい様である→寵姫として召し上げられるアンネローゼ様があまり可哀想に見えないんです。

今までの各バージョン(旧作アニメ、道原版、フジリュー版)と比べて、ダントツの造形だと思います。フジリュー版フリードリヒ4世なんて、「アンネローゼ様…(涙)」となる老醜ぶりでしたから。

そりゃあ、16歳でじい様の後宮に納められるなんて可哀想、このロ●コン!と思いますが、本作のフリードリヒ4世は上品なおじい様で…特定の嗜好をお持ちの女子にとっては、アンネローゼの立場は"ご褒美"になりかねないのでは?と思いました。

若い頃は放蕩の日々を送って(女性の扱いでは経験値高い)、年を経ていい感じに枯れて(今更ギラギラガツガツしていない)、薔薇の世話にかかりきりの趣味人、それも銀河の最高権力者の上品なじい様が自分に夢中で寵愛してくれるんですよ?無いのは、為政者としての覇気だけ。アンネローゼだって、初めは嫌だったかもしれませんが、そう悪い境遇ではなかったのでは?と思います。

「代われるものなら、私が是非!」と思いながら視聴していた女性達がいたと信じています(笑)

 

一応、最愛の姉アンネローゼが皇帝に召し上げられたことに激怒した主人公ラインハルト(及びキルヒアイス)が打倒!銀河帝国皇帝!!と軍務に身を投じていくので、この物語の"全ての始まり"となる重要なキャラクターなんですけれどね…フリードリヒ4世陛下は。

 

 

…さて、5月も終わりですね。4月に比べ、少し更新ペースが持ち直してきたか?と思っていましたが、今後資格取得のための勉強で、また更新がゆっくりとなるかもしれません(;´Д`)

f:id:aoumiwatatsumi:20210530151554j:plain

ガクアジサイも綺麗♪

それでは、また!