青海のブログ

本や映画、展覧会の記録と感想等。時々、発達障害について。

『竜王の娘 中国幻想選』鮫島圓 著 感想

先週は、4日も都内の会社に出勤しただけで相当にしんどかったです(以前は毎日通勤していたというのに)。そうなると、週末書店にてパトロールしたくなるのも無理はなく…

という訳で購入した、鮫島圓先生のコミック『竜王の娘 中国幻想選』の感想です♪ 初めての作家さんでした。手短にいきます。

f:id:aoumiwatatsumi:20210627184707j:plain

中華モノ~

 評価:★★★★☆(5つ★満点))

中国の民間説話を著者がピックアップして脚色も加えて漫画化されたようです。

一番好きなのは、表題作でページ数も一番な『竜王の娘』。王道のボーイミーツガールもので、異類婚姻譚でもあります。やたらと壮大なスケールなのも、かの国ならでは。

 

読んでいて、ヒロインが「洞庭湖」の主の娘って…?と既視感があったのもその筈で、この原話、昔読んでいました(勿論日本語訳で、短編小説で)中国では『柳毅伝』として知られている物語だそうです。


懐かしくて青空文庫に出ていた訳で読み直しました。

↑のバージョンと読み比べたら、鮫島先生のコミカライズは、だいぶ脚色されているのが分かります。


柳毅が手紙を届けるのも、原話では洞庭君の娘から頼まれたからで、マンガの柳毅は思いやりがある漢気溢れるキャラクターになっています。原話だと、彼が人間界へ帰郷後2度(人間の女性と)結婚後、2度とも伴侶に先立たれて…という展開ですが、これは今読むと、"洞庭君側の操作"があったのでは?と勘繰りたくなります ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル

 

古典を再発見するきっかけに、このようなコミカライズは良いことだな…と思いました。

それでは、また!