※盛大にネタバレしています
千葉劇場にてチベットが舞台の映画『羊飼いと風船』を鑑賞しました。
2019年製作/102分/中国(チベット語)
原題:気球 Balloon
配給:ビターズ・エンド
評価:★★★☆☆(5つ★満点))
あらすじ
チベットの大草原。牧畜をしながら暮らす、三世代の家族。昔ながらの生活を送っていましたが、中国の一人っ子政策の波が押し寄せてきています。そんな中、母・ドルカルの妊娠が発覚します。既に3人の息子がいるのに、4人目を産んだら罰金とお医者さんに言われます。
が!丁度夫の父が亡くなったところで、転生を信じる彼らの宗教観から、夫や息子から「産んでくれ」と言われる始末。尼僧であるドルカルの妹からも信仰の観点から中絶を制止されます。妹は妹で、昔の男?と再会して…
感想
まあ悪くは無いけれど、そんなに面白い映画ではありませんでした。監督のペマ・ツェテンさんは「イランの名匠アッバス・キアロスタミや中国のウォン・カーウァイも、その才能に惚れ込み高く評価した」そうですが、そこまで言う程のものか?とも思います。ラストシーン、飛んで行った赤い風船を、各登場人物達が見上げるシーンなんて、いらないと思いましたよ。あざとい。
それでも、異文化―チベットの牧畜民の現在の暮らしぶりや文化に触れられる面白さはありました。羊をバイクに括り付けて運んだり、羊の売買で(相手は回教徒?)お互いが長い袖をくっつけ合った中で値段の交渉をするシーン等が印象的でした。
伝統的な生活を送る牧畜民と、バースコントロールというモチーフは映画『ウルガ』を思い出しました。こちらは中国内モンゴル自治区の大草原が舞台です。
この映画は、良かったです…!