いつしか夏に突入ですね。まだ梅雨ですが。
さて、7/4(日)に銀座のギャラリーへ行ったと書きましたが、同日に丸の内の三菱一号館美術館でも『三菱創業150周年記念 三菱の至宝展』を鑑賞してきました。
そのご報告と感想です。
世界に3つしかない「曜変天目」茶碗のうちの1つ(稲葉天目)を見たくて、また、一緒に展示されるお宝もさぞかし凄いだろうと、行きました。
【目次】
美術館は素敵…な筈が
会場の三菱一号館美術館は、とてもレトロモダンに改装されて、いつ来てもうっとりします。こんなところで美しいものを鑑賞できるのが毎回嬉しいです。
しかし!"三菱"と言ったら、大河ドラマ『龍馬伝』の香川照之さん演じる「あの」きちゃない岩崎弥太郎を自動的に思い出すので、綺麗な場所で美術鑑賞していても、
「わしは、あいつのことが大っ嫌いなんじゃあ(泣)」
と泣くほど龍馬のことが大好きな弥太郎が脳裏に浮かんで困ります(笑)
展覧会感想
さて、展覧会の感想ですが、流石の三菱財閥で、凄くハイレベルでした。
感動にも色々あって、作品それ自体の美に圧倒されたものと、「あの有名人物がらみの銘品!?」とミーハー根性で反応したものと「歴史的価値すごいんじゃあ!?」という意味で感動したものとに別れました。
作品それ自体に感動したもの
中国南栄時代の刊本(かんぽん)、つまり筆で書いた写本に対し、印刷刊行された書物のことですが、これが凄いクオリティ。「こ、この字、木版で彫ったの!?」と瞠目するレベルの精緻で力強い文字の印刷。
陶磁器類では、「曜変天目」(稲葉天目)は、流石で1室このためだけにとって、ひそやかに展示されていました。
小さかったです。とても綺麗でした。
後は、唐三彩が2点ありましたが、どちらも私は好きでした。気になったのは、展示の説明文で唐三彩のほとんどは「副葬品」として作られたと言う点。
では、中国政府が所蔵しているもの以外は、"ほぼ盗掘品"と見て良いということでしょうか?((((;゚Д゚))))
他に、「漳州窯(中国福建省辺り)」の『五彩一猿双鹿文盤』という赤絵の大皿が、好みでした。筆致がきっっちりしていなくて、いい意味で子供のような自由闊達な絵柄でした。
有名人ゆかりの品々
おおっと思ったのは織田信長・松永久秀ゆかりの「唐物茄子茶入 付藻茄子」。大河ドラマ『麒麟が来る』にも出てきませんでしたか、これ。後、小説『黎明に叛くもの』にも出てきました。残っていたんだなあ。解説には一度大破したけれども、漆職人の手で精巧に再現されたとか。破片…全て拾ったの?言われないと、修復済みには見えません。
それに、伝 千利休の茶道具の数々!! (こういうのは利休は一番嫌うでしょうが)きたきた~~!! 流石大三菱の経済力!!
後、古典籍類の展示室で見た、マリー・アントワネット旧蔵との伝がある『イエズス会士書簡集』!ミーハー根性で見てしまいました。
歴史的価値が凄そうな書物群
今回予想外で感動したのは、本駒込の東洋文庫所蔵の、古典籍の数々。要するに学術的にも歴史的にも貴重であろう古い書物です。本好きにはたまらないものがありました。
『リグ・ヴェーダ』の初の英訳本に、15世紀後半に出版された『東方見聞録』(一番価値あるバージョン)、前述のマリー・アントワネット旧蔵との伝がある『イエズス会士書簡集』、シーボルトの『日本植物誌』、曲亭馬琴が解説文を書いた江戸時代の鳥の図巻『禽鏡』、17世紀のデカい聖書(旧約・新約一体でallドイツ語)!! 『写本チベット大蔵経』!! 14世紀の『コーラン』!!
海外の大きな世界地図の本も大迫力だったなあ。
Tシャツは違うのでは
ミュージアムショップを覗きましたが、出品されていた「付藻茄子」、「曜変天目」、刀剣類、それに書?をあしらったTシャツが売られていました。ダセえ!!というしかないシロモノです(;´Д`) 何故いつもTシャツに結び付けようとする…?
こういう商品を見るたびに、本気で売れることを想定して生産しているかどうか、聞きたくなります。
こちらの展覧会は、9/12(日)まで開催です。
お蔭さまで、充実した休日を過ごせました。
それでは、また!!