青海のブログ

本や映画、展覧会の記録と感想等。時々、発達障害について。

『電線絵画展-小林清親から山口晃まで-』感想

余裕が無いと言いながら、はるばる練馬区立美術館『電線絵画展-小林清親から山口晃まで-』を見てきました。

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ちらしとチケット 使われている絵は小林清親


まあ、今後、会期終了の4月まで中々足を運べなくなりそうなので、今のうち行っておこう!という危機感から頑張って行きましたよ。


【目次】

 

 

「電線」「電柱」を描いた作品の展覧会

 

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美術館前の公園にも看板が

いつも個性的な展示をしている練馬区立美術館ですが、今回は日本で「電線」「電柱」をテーマにした、または風景の一要素として描かれた作品を明治期~現代まで集めた展覧会です。

www.neribun.or.jp

 

文明開化の頃から新しく町の風景として加わった電線・電柱を、画家たちがどのようにモチーフとして描いてきたかを見せると同時に、インフラとして電気が街にいきわたって行く過程を見せる近代史・風俗史を見せる側面もある展覧会でした。

 

当初から電線・電柱は嫌われていた


電線や電柱は、今でも景観を損なうと悪者になっていますが、当初から嫌う意見があったとか、吉田博のようにわざと描かない画家がいたりとかいうことも紹介されていました。(川瀬巴水とか、小林清親とか積極的に取り入れている画家もいるのに対照的です)私としては、電柱なんて、オブジェとして面白いと思っていますけどね。


嫌われる電柱・電線ですが、朝井閑右衛門のように電線を主役として描き、"別の何か"にまで変容させた画家も出てきます。

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山口晃氏の作品。練馬区立美術館公式サイトより引用

 

ノスタルジーの象徴としての電線・電柱


秦テルヲ『煙突』や、岡鹿之助『群落A』山脇信徳『雨の夕』とか好みの作品がありました。そして、何度目かで実物を見る藤牧義夫隅田川絵巻』(今回は白髪橋付近)も。その時代の風景と一緒に電線・電柱が描かれてきましたが、今見ると、結果的に過ぎ去った時代を振り返るノスタルジーの象徴として電線・電柱を見る事ができます(木製の電柱とか)。

 

災害と電線・電柱


展示の一角に災害をテーマにした作品群もありました。

 

明治三陸地震津波を(ジャーナリスティックなものとして)描いた版画や、関東大震災直後の日本橋や銀座新橋界隈の光景を描いた作品等、見ているとうるうるしてくるものがありました。

 

碍子まで展示


碍子(がいし)とは、電線とその支持物とのあいだを絶縁するために用いる器具で、一般には電柱・鉄塔などに装着されていますが、この碍子を描いた絵画(マニアック!)や陶芸技術で作られた各種の碍子(実物)まで展示されていました。

 

河鍋暁斎の絵札購入


河鍋暁斎も今回の展覧会で作品が出品されていたので、その縁でか、埼玉県蕨市河鍋暁斎記念美術館製の絵札3点セットが販売されていました。1セット購入(110円)。ちなみに組み合わせは自分で選べません。読書の栞として使おうと思いました。

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栞に使います♪

 展覧会の会期は来月4月18日(日)まで。

 

さあ、明日からはまたキーーーッッッと働きます(笑)