青海のブログ

本や映画、展覧会の記録と感想等。時々、発達障害について。

発達障害当事者が自分の特性を説明する

 この記事を書くきっかけは、ある時某所で「言葉で自分の特性を説明することが難しい」「自分で自分のことを良く分かっていない」と複数の発達障害当事者から意見が上がっていてあれれ?と思った事です。

 

まず自分の特性を、理解すること

障害者雇用で就職活動する際は、自分の特性を客観的に理解・分析して、他者に説明することは大変重要です。自分で特性を理解していなければ、困りごとはどこなのか、どう配慮してもらいたいか伝えられないからです。
「障害者ってどう扱っていいか分からない」という受け入れ先の不安を和らげることにもなりますからね。

優秀なんだかポンコツなんだか?

で、冒頭の「あれれ?」ですが……私はこれがかなり出来ていたので、「苦手な人もいる」事が新鮮な驚きでした。
発達障害を疑い、診断を受ける前後に、自発的に自分の特性を説明するプレゼン資料のようなモノを作成して見せて、医者にもハローワークの専門援助担当員にも驚愕されました。現在の職場(初めて就労した障害者枠での仕事)でも面接時、自分のトリセツをExcelで作成した一覧表を提出した時は、「これは誰かに手伝って貰ったの?」と聞かれました(私一人で作りました)。こういった事は就職後もありました。

 

どうやら自分は文章を読んだり書いてまとめたり、整理したり分析する事に長けているようです。知能検査(WAIS-III)でも、言語性IQで高い数字が出ました。この特性は、今の職場でも生かされ、重宝されています。

…でもねえ。40歳過ぎて自分の強みにやっと気付く時点でポンコツですよ。無能と紙一重。家族からは、大半の職場は1年以上保たずに転職を繰り返してきた社会不適合ぶりを散々叩かれてきましたから、「優秀なんだかそうでないのか分からないね」と呆れ気味に言われましたよ。

遠回りし過ぎ

前述のトリセツ作りに至るまでは、大変時間がかかっています。恐ろしく効率が悪い人生(笑)もっと早く自分の強みに気付いていたら、と思いましたが、仕方ないです、その時の自分で精一杯でしたから。

自閉的で、コミュニケーションの経験値が低いし、他人と自分を比べて客観視する機会があまり無く…それで、これまで散々痛い目に遭いました。その散々揉めて、ボコボコにされた経験を元にやっと…やっと!トリセツの作成が作成出来るようになりました(爆笑)

自分のことは、いい年になっても、案外分からないもの。そして、自分を"発見"するのは、他者の存在が不可欠。それは、楽しい関係とは限らなく、しんどいものでもありうると実感しています。
他の発達障害の方(特にASDの方!)には、私みたいな回り道をなるべくしないで欲しいな…と思っています。