青海のブログ

本や映画、展覧会の記録と感想等。時々、発達障害について。

4月の食の忘備録

やっぱり梅雨に突入ですか?(´・ω・`)

 

さて、2022年4月の食の記録です。 

 

スズキのソテーに発酵トマトソースを

 

発酵させるのが好きで、そうして作った自家製塩レモン(もはや”我が家の梅干し”みたいなもの)とプラムを使ったチキンソテーを作りました。ケイパーを添えて。

 

盛り付けは男らしく

 

コロナもあって、外食はあまりしないのですが、先月は何度か居酒屋に行く機会がありました。まずは門前仲町この店

 

お刺身、分厚かった~

里芋のから揚げ 美味。

 

出先でお目当ての店が満席でフラれたところで気になったジビエ料理の店へ。とても勢いがある印象の、素敵なお店でした。

 

まずはパクチーサラダ

 

パクチーは、個人的に縁を感じる野菜だから、嬉しいです。

 

猪肉の”しうまい”

鹿と猪のスジ煮込み

 

この後、鹿肉・猪肉・雉肉をそれぞれ、用意された七輪で焼いていただきました。

 

これは鹿か猪か?

 

〆はジビエカリィ(鹿・猪だったかな?)。肉、サイコー。

 

ワインもいただきましたよ

 

KALDIで購入した、台湾汁なし麺。結構美味しかったです。

 

お湯は捨てていただきます

 

大量のトマトピューレをいただいたので、新玉ねぎとヨーグルトとカレー粉を使って、無水カレーを作ったら美味しかったですよ。

 

黒木瞳の家のレシピを参考に

 

わらびをゆでたもの(ちゃんと灰汁でゆでてある)をいただいたので。ナムルにしました。

 

わさび菜炒め(右側)と

 

ふきのとうを、ハムと一緒にパスタにしました。ベースはペペロンチーノ。

 

大成功でした

 

また居酒屋での外食で家族とこの店へ。外国人(多分ベトナム人)の店員さんが多くて、「揚げ出し豆腐」がなかなか伝わらず、日本人の店員さんを捕まえて念押ししました(出されたお料理・酒類はとても良かったです)。

 

小松菜ハイボールと突き出し

どどんと刺身類

芽出しにんにくの天ぷら

お目当ての揚げ出し豆腐

 

背後の席のお客が、「俺、テレワーク大っ嫌いなんだよ~」とシャウトしておられました。色々な人がいますね。

 

〆は小松菜の焼きそばでした!美味しかったですよ。

 

麺まで小松菜が練りこんである

 

また自炊記録に戻ります。鰆を塩焼きして、ニンニク・レモン汁・オリーブオイルに塩コショウかけて、野菜と合わせてサラダにしました。白身魚をこのパターンでサラダにするのが大好きです。

 

盛り付けはつっこまないでください

 

NHKの終わってしまった『ガッテン!』で知った、「丸ごとにんにくオイル」。外皮を剥かないでばらしたニンニク片を、オリーブオイルで低温調理したものです。オイルも、優しい味になったニンニクも、調味料として使える優れものです。

 

冷蔵庫から出したてなのでオイルが…

 

先月も、色々もぐもぐ食べておりました。

 

揚げ焼き肉団子とぬか漬け

 

それでは、また!

2022年春のベランダガーデニング

このまま梅雨になだれこみそうで怖いです。

 

さて、ささやかなベランダガーデニングの記録です。

 

咲き終わったシクラメンも植え替え

 

4月~5月は、暖かくなったため屋内に入れていた鉢を外に出す&植え替えをしていました。

 

ダ●ソーで購入して、世話していたクロトンの鉢は、一時は凄く茂っていましたが…冬の間のカイガラムシ被害で、葉がだいぶ落ちてしまいました…

 

春先までのクロトン

 

aoumiwatatsumi.hatenablog.com

 

で、思い切って、先端部しか葉が残っていない枝を全てバッサリ切りました。

 

新芽が出てくれています

 

この季節だから、また新しい葉が出てきてくれるでしょう。

 

昨年の夏に古い使用済みの土を日光消毒していたのですが、新しく買ってきた明日葉の苗の植え付けに使いました。

 

明日葉、根付いてくれたようです

 

明日葉育てようと思ったのは、この本の影響です↓

 

 

今回の植え替えで出た古い土は、日光消毒してから来年再利用の予定です。

 

まずはふるいにかけなくては

 

シャコバサボテンの摘葉した葉を挿し芽しました。

 

小さな根が出ています

 

しっかり根付いてくれたら嬉しいのですが。

 

シャコバサボテンを挿し芽した鉢

 

植え替え・植え付けはだいぶ終わり、これからは夏の準備が控えています。

 

近所にて。ツツジの開花

 

それでは、また!

2022 GW湘南旅行(葉山・腰越)

引き続き、2022年のゴールデンウィークで過ごしたことの記録です。

 

湘南に1泊旅行してきました(葉山と腰越)。

 

海行ったの久しぶり

 

かなり前から予定していましたが、「この時期」に行くべき理由があったので、多少高めの支出(といっても宿代くらいですが)になってもかまいませんでした。目標は達成できたし、葉山は思った程混雑しておらず、良い旅でした。

 

森戸大明神

神社裏手の千貫松

神社脇を流れる川

 

合間にカフェや宿のラウンジでちょこちょこ簿記2級の勉強もしました。総合原価計算の深い森を抜け出るのも後もう少し…(このブログ書いている時点で抜けました!)

 

ランチに、くま坊 (id:kumabou2016)さんがブログでご紹介されていた、「ザ ガゼボ (The Gazebo)」へ行きました。フィシュアンドチップスをいただきましたが、ポキ丼も美味しそうだった…

 

www.kumabou.com

tabelog.com

 

まずはどーんと、ビール

ビネガーかけていただきます



美味でした♪ 人気店のようですが、ガツガツ客を入れず、入店をコントロールして上手く回しているような印象を受けました。

 

宿はだいぶ前に予約していたのが良かった~

 

海辺は、青いインテリアが映えますね

 

予算の関係で、オーシャンビューではなくて、山側の部屋になりましたが、私は「海より山」派の人間なので、問題なし。海は、宿のラウンジから眺められますしね。

 

部屋からとんびが見えて嬉しかった

宿の絵その2

 

夜は、予約なしで宿を出て探しましたが、流石に連休中の葉山をなめていました。満席が多く途方にくれていたら、オレンジ食堂という、きどらない居酒屋さんに入れてもらえました!こういう店、大好き。

 

三浦半島野菜のロースト

 

tabelog.com

 

翌朝は、森戸海岸を散歩。1日目は富士山が見えずがっかりしましたが、この日はうっすらと望めました。

 

奥にうっすら白く見えるのが富士山

 

朝食をいただき、宿をチェックアウトしてから、江ノ電腰越駅を目指しました。

 

腰越のお目当ては、満福寺と小動神社です。満福寺は、源義経の「腰越状」で名高いお寺です。

 

江ノ電の踏切からすぐの満福寺

www.manpuku-ji.net

 

弁慶と腰越状作成中の義経の像

 

NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の影響で混んでいるかと思っていましたが、ガラガラ~であれ?でした。近隣の小動神社↓も同様。

 

新緑が綺麗~

 

その後、海沿いの国道をえっちらおっちら徒歩で、江ノ電の「鎌倉高校駅前駅」まで移動。駅そばの海に臨む踏切が、絵になるので、アニメやドラマ、映画のロケ地として人気撮影スポットなんです。

 

にわかカメラマンでいっぱい

 

私もその一人になって、ミーハーでした(笑)

 

駅ホームから、海を眺められて、本当に素敵だな…と思いました。

 

鎌倉高校前駅ホームから

江ノ電

 

鎌倉駅、江の島駅なら凄い人出のようでしたが、今回行った場所はそれほどではなく、疲れすぎることもありませんでした。

 

その後、都内に移動してまたカフェで勉強やら、知人が展覧会を開催中だと思い出して訪ねたり、いつもの鍼灸院で腰の治療をしてもらったり、非常に充実した時間を過ごせました。

 

 

逆方向からきた江ノ電車両

 

とてもリフレッシュできて、感謝しかない時間でしたが、直前のフレンチのフルコースディナーといい、「これで今年の運を使い切ってないか?」と若干不安が…

 

aoumiwatatsumi.hatenablog.com

 

いやいや、日商簿記2級受験が控えているんだから、私頑張れ! (●'д')bファイトです

 

それでは、また!

本格フレンチのフルコースディナー(身内応援☆家族会)

2022年のゴールデンウィーク、皆様はどのようにお過ごしですか?

 

さて、慣れないおハイソな経験をしてきたので、その記録です。

 

これはイメージ画像

 

家族で集まって、本格フレンチのフルコースディナーを堪能してきました!都内の一等地で。

 

ちなみに、我々は「フレンチなんて食べなくても別に死なねーよ ( ゚д゚)、ペッ」という階層に属しております。結婚式でいただくくらい?

 

お店は東京タワーの近く

 

今回行ったのは、私の身内が夫婦二人でやっているこぢんまりとしたお店です。元々関西で営業していて、価格設定も高めなのに一定の顧客がついていたのですが、それにも関わらず東京へ移転して新たな出発をしました。

 

…コロナ禍真っ只中の時期に。

 

東京への移転はだいぶ前から決まっていたそうで、今更変更できる状態ではなく、緊急事態宣言やらまんぼうやら出ていた中での船出となったそうです。こちらとしては(「そのうち行きたいね」と話していましたが)中々行けず…

 

お野菜のムースとジュレ

 

SNSを通じて、時短営業やら、テイクアウトの開始(本格フレンチのテイクアウト!)やらと奮闘しているのを見て、なんとか応援できないかとハラハラしていたのですが、やっと伺うことができました。…そして、当分は伺うことはないでしょう。我々には雲の上すぎる世界の料理です。食べる芸術作品。

 

魚介のタルタル

 

先ほど、”応援”と書きましたが、正直滅多に行けない私達の来店などあてにせずとも、十分やっていけそうです。ネットの評価でも星が多い!し、テイクアウトしていた時に一度問い合わせたら、随分先まで予約で埋まっていました。

 

関西時代と比べると本当に小さなお店ですが、ディナー営業の開始ですぐ満席になりました。現在、お店のメニューはランチ・ディナー共にコースのみです。

 

お豆と北寄貝

 

料理はパンやデセール(私の世代では”デザート”です。今更デセールとか言えるか ( ゚д゚)、ペッ )まで、シェフ(旦那氏)一人が作っています。奥方はホールを一手に引き受けています。大変…

 

料理の合間に出されるパン(美味しい)

 

コースはお高いですが、ドリンクはまた別なんですよね。白ワインを瓶で頼んだ時は、「飲み切れるかな…(〃'дσ[壁]モジモジ」と躊躇していたのが、むしろ足りなくなるくらいでした(笑)。

 

ワイン 家族でシェアしました

 

そして、今回(本格的な)フレンチレストランでは乾杯時、「ワイングラスを互いに当てない」というにわか仕込みの知識を家族に披露して、音はたてませんでした。そうしたら家族の一人(別に暮らしている)が、「うちでワイングラスを良く使うんだけど、洗っていてしょっちゅうパリンパリンと割っちまう」と言い出しました。

 

…なんて勿体ない(;´Д`) うちではワイン飲む時でも、なかなかワイングラスは出さないくらいなのに(汗) 普段自宅で飲むのは、1瓶1,000円しない安ワインですが。

 

ホワイトアスパラとホタルイカ

 

そう言えば、今回いただいたコースは魚介類が多かったのですが、北海道産のものがいくつか見られました…→家族全員自動的に知床の沈没事故のことを連想してダウナーな気分に。料理は美味しいのに。

 

白身魚ポワレムール貝

 

後、予約時に事前に「食べられないものはない?」と聞かれていたのですが、私は「貝が苦手」と返答していました。でも、いちいち私の分だけ抜いてもらうのは(ご夫婦共にいっぱいいっぱいな様子を見て)申し訳なくて、全ていただきました。積極的に食べたいとは思わないけれど、子供時代程の嫌悪感はもうなかったので。

 

貝は昔、給食で出ていたクラムチャウダーが生臭くって、それでダメだったのです。このお店の貝は、全然生臭くなくて、大丈夫でした。

 

子羊肉と春野菜のロースト

 

ディナーコースはいくらかは秘密です。お高かったです。ヒントとして、関西時代、このお店のランチで一番安いのが3,000円のコース(ドリンクは別…でしょうね、やっぱり)だったのが、現在の東京でのランチコースはもっともっと高額になっています。

 

職場近辺で販売されるお弁当の価格がワンコインを超えるだけでぶうぶう言っている者からすると、まさに異世界です。1回分で普段の俺のランチ(自作弁当含む)何回分だよ?という気分です。

でも、それだけの金額を当たり前に払える一定の”客”が常連になっていないと、こんな家賃だけでも超高そうなお店を維持できないと思います。接待とかにも使われるのかな?

 

柑橘類のソルベとジュレ

 

そうそう、今はゼリーも”ジュレ”なんですよね。昭和世代は”ゼリー”ですよ( `д´) ケッ!

 

不思議なのは、このお店、全然外観は目立たずに(表通りからちょっと引っ込んだお店)、通りに看板で目をひくでもなく、チラシを配るでもなく、ひっそりと営業しているようですが、それでもしっかりとお客はついているようです。

 

飲食店って提供する味が良くても、立地や人の流れや地域の需要等を戦略的に考えずに開店すると潰れることがある…と過去に聞いた記憶がありますが、いきなり東京に来た新参者が良くそれでやってこれたと思います(しかもコロナ禍で)。

 

「新しいお店が出来たね、食べに行く?」と気軽に言える価格設定じゃないですし。

 

シェフの師匠筋のネットワークとかあるようですが…私ごときには分からない、独自の情報網があるのだと考えるしかありません。

 

乙女心をくすぐる、ブランマンジェの盛り付け

 

料理も凄かったですが、私が感心したのは、シェフの後始末の掃除っぷり。オープンキッチンだったのですが、作りながらその都度片づけをしていたようで、〆のコーヒーをいただく時にはキッチンもほとんど片付いていました。プロフェッショナル‼

 

これもイメージ画像

 

庶民には夢のような時間でした。

 

それでは、また!

横浜に行ってきました

簿記2級の勉強のお陰で、円高になると、輸出する側(日本は輸出が大きい)が損する、と初めて知ることができました。物流業界にいるのに知りませんでした(恥)、勉強大事。

 

さて、大型連休が始まりましたね。所用で横浜に行ってきたので、簡単な記録です。

 

山下公園にてシャリンバイの花~

 

久しぶりに山下公園へ行きました。氷川丸も(外側だけ)見てきましたよ。

 

氷川丸

 

氷川丸は、講道館を開いた柔道家嘉納治五郎がその船中で最期を迎えた船です。NHK大河ドラマ『いだてん』思い出しますね!

 

hikawamaru.nyk.com

 

山下公園は、バラやシャクナゲなど沢山の花が咲いていました。沢山の人出も。

 

バラ~

これ、なんて花だっけ?

フランスギク属?

 

ランチは、適当なところで、と近辺を探してみましたが凄い人出のため大変でした。特にこだわりもなく、リーズナブルなところでサクッといただこうと思ってもなかなかなく…。

よせばよいのに中華街でテイクアウトして食べ歩きを…と考えて足を踏み入れて後悔することになりました。肉まんテイクアウト等も、凄い行列ばかり。

その時、ふと漫画家の杉本亜未先生がSNS上で「静かな空間」とおすすめされていた楊貴妃 Cafe Chinois を思い出しました。あそこなら…と人ごみをかき分けて行ったら、丁度善隣門から出たところで、(同じ経営の)ブティックの2階にありました。

 

www.yokihi.net

 

外の凄い人出が嘘のような、穴場でした。上品で、サービスも良い感じ。スイーツも魅力的でしたが、今回はランチということで、水餃子セットを注文。

 

飲み物は漢方茶にしました

 

箸置きは落花生の形です。

 

水餃子セット

 

水餃子、ザーサイが効いていて、お茶もですが美味しかったです。

今度この辺に来た時は、スイーツも試したいです。

 

ちなみに、前述の杉本亜未先生は、横浜中華街を舞台にした『ブラッディチャイナタウン』という作品(Kindle版で全8巻)があります。ちょっとBL風味あり・グロ描写ありですが、抵抗ない方は是非是非お勧めです。

 

 

本日の横浜での用事も無事済ませることが出来て、帰途につきました。

 

ツツジが綺麗な季節ですね

 

それでは、また!

TVアニメ 『平家物語』感想

連休もお天気はぐずつくようで、しょんぼりです。

 

さて、山田尚子監督のテレビアニメ『平家物語』(全11回)を見終わったので、感想です。いや、良かったです。

 

素晴らしい出来でした

 

heike-anime.asmik-ace.co.jp

 

【目次】

 

古代からの繋がりが残る時代

かつては源平合戦、今は「治承・寿永の乱」と言われる平安時代末期の平安時代末期の治承4年(1180年)から元暦2年(1185年)にかけての6年間にわたる国内各地の内乱。

 

この頃の時代が昔から好きでした。源三位頼政の鵺退治のような怪異が当たり前だった古代の名残がある時代、皇族はいまだ神孫であったとき。その皇族に対して、坂東を中心とする地方の武者たちが自分達の権利を主張して立ち上がった時代。家にあった、『学習まんが 少年少女日本の歴史』(小学館)(あおむら 純さん作画のシリーズです)の影響が大きかったと思います。

 

www.shogakukan.co.jp

 

この本で描かれる、源義経が私の初恋でした(その後手塚治先生の『火の鳥 乱世編』のダークな義経像にショックを受けることになります)。

 

 

2012年のNHK大河ドラマ、『平 清盛』にもめちゃ嵌まりました。

 


www.youtube.com

 

超高速平家物語だった

テレビアニメ『平家物語』の話に戻ります。

 

全11回と聞いて、「(こんなにクオリティ高いのに)短すぎる~」と嘆きましたが、結果的には中だるみせず、この短さに凝縮してまとめて良かったと思います。

 

主人公びわの視点で平家の没落・滅亡が語られる

(画像はTVアニメ 『平家物語』公式サイトより引用 以下も同様)

 

平家物語』の良かった点

作画のクオリティ(時々構図が神がかっている時がある)も、美術(草花や海等の自然描写)の美しさ、動画・演出の巧みさ(まさに”アニメーション”)、どれも素晴らしかったです。

 

草花の描写が繊細で美しい

 

内容的に、海の描写が多い

 

自然描写と動画の見事さよ

 

 

また、限られた作品の時間にも関わらず、「祇王」「小督」のエピソードや、平盛子の婚家との事情、平資盛の殿下乗合事件、強訴の様や、以仁王の乱、御子姫君が後白河法皇後宮に入る経緯の話など、随分細かいエピソードまで拾っているなと感心しました。

 

祇王」のようなエピソードも拾っている

 

視聴していると、登場人物が相手の「手をとって反対の手で包み込む」シーンが目につきました。繰り返し描かれるのですが、コロナ禍で接触を忌避する現在なので、特に印象に残りました。

 

OPの羊文学「光るとき」も以前書いたように、満点です。歌詞も音楽も。

 

平家物語』の良くなかった点

既に多くの方が指摘されていますが、平家の蛮行にちょっと否定的なことを言っただけで殺される展開は、いくらなんでもやりすぎです。

父を殺されたびわは、平重盛の家に引き取られる

 

そして、そんな平家方に父を殺されたびわは、平重盛の家に引き取られますが、建礼門院徳子の産屋にまでびわが侵入しているのには違和感がありました。

同じようなことで、天皇法皇と臣下が同じ立ち位置で話をしていることも、ああいうことあるんでしょうか?いくら平家全盛の時であっても、武家風情が廊下で天皇と立ち話、とかありえない気がします。

私はこういったことに疎いですが、後白河法皇(一応、治天の君)と重盛が同じ縁側で一緒に座って会話というシチュエーションも「なんだかなぁ…」と感じていました。そういえば、後白河法皇と重盛(とその息子たち)は、男色関係にあったという説があるので、そういうことを念頭におきながら、「こいつら…ムフフ」と思いながら視聴していました(笑)。

 

それから、このアニメでの平重盛の人物像。いや、私はこのアニメでは重盛推しなのですが、後世の補正が入っていて、人格者過ぎると思います(『平家物語』での描写がそうなので仕方ありませんが)。

 

このアニメでは重盛推しです

 

実際は結構えげつないことしている人だったのに、父・清盛に対するアンチテーゼ的な平家一門の良心担当となっていて、「忠ならんと欲すれば孝ならず。孝ならんと欲すれな忠ならず…」という明らかに儒教的価値観での言葉を発したとされていますが、これは後世の補正かと思います。

 

 

後、佐殿(源 頼朝)の描かれ方。のんびりおっとりしすぎです。そんな人のいい為人ではない筈。政子との力関係も、別にああで良いのですが、終盤は、佐殿が既に清水冠者義高を殺して、娘の大姫はメンヘラになっている筈。あの夫婦があのような様子でいるとは思えないのですが。

 

頼朝がおっとりしすぎ

 

そして!どうしても気になったのは安徳天皇の髪型。アニメ赤子の時以外は、いわゆる角髪(もしくは髻(みずら))に結っていますが、『平家物語』では、この髪型にするのは、壇之浦で入水する最後の最後なんです。

 

左側が安徳天皇。髻(みずら)に結っている

 

平家物語巻第十一 先帝身投』より引用すると、

「…主上今年は八歳にならせ給へども、御年のほどよりはるかにねびさせ給ひて、御かたちうつくしく辺りも照り輝くばかりなり。御髪黒うゆらゆらとして、御背中過ぎさせ給へり…」

現代語訳だと、太字部分は

背中あたりまで伸びた黒髪が美しく揺れておられる

…となっています。この「ゆらゆら」は、『源氏物語 若紫』で後の紫の上が登場するシーンで「髪は扇を広げたるやうにゆらゆらとして」に通じる言葉です。安徳帝はこの時点まで、髪を結っていないのです‼

 

それがいよいよ入水する際に、

「…山鳩やまばと色の御ぎょ衣いに、びんづら結ゆはせ給ひて、御涙におぼれ…」

となりますが、この「びんづら」がみずら(髻)です。本当に最後の最後にこの髪型になるのです。

 

アニメでの平時子安徳帝

 

このことから、安徳天皇は身代わりが入水したとか、ひそかに生き延びたとか説があります。私は高田崇史先生の本で、また別の説を読んで「なるほど」と思ったのですが、それはここでは語りません。

 

平 維盛の人物像

これはアニメの罪ではないですが…

重盛の息子の維盛は、史実でもその美貌で「光源氏の再来」と言われたそうですが、光源氏、やつは非実在男子であって、今まで一度も来たことはないですよ(笑)

 

平 維盛 一貫して戦嫌いとして描かれる

 

アニメ『平家物語』での維盛は、武門の生まれにも関わらず、それになじめず「こわがり」であると描かれます。でも、過去のNHK大河ドラマにあったような私の大嫌いなフレーズ「戦は嫌でございます~」に感じられるような不快感はありませんでした。

 

平家の陣は赤い幕

 

戦で戦う、当時の武家としては当然の生き方にどうしてもなじめず、でもそれを押し殺して一度は頑張るけど、脱落して、最後は出家して補陀落渡海(入水)の道を選ぶ維盛。心折れて結局何も為せず、逃げ続けて、敗北者として死ぬ。こういう人、きっといたんだろうなあと思いますし、現代の視聴者が感情移入しやすい人物像かと思います。

 

びわと維盛(右側)、最後の邂逅

 

また、びわもそんな維盛の「逃亡」を(一応は止めようとしますが)、そう強く反対しないのですよね。その弱さを受け止め、見届けて後の世に語り伝えることを選びます。ここは印象的でした。

 

義経の人物像

このアニメは『平家物語』なので、源氏方はそんなに描かれませんが、義経は短いながらも冷酷で戦術の天才として登場していました。民間人、非戦闘員の命なんてなんとも思っていない感じ。

 

自分の義経像から違和感ない

 

良く「義経は卑怯だった」説で出される、船戦の時に(非戦闘員であった)船を漕ぐ水夫(かこ)を弓で射るよう指示したシーンも作中でありました。当時、水夫を攻撃の的にすることはありえないことでした。ただ、このように義経が指示したという信頼できる記録は実はないとのことですが…

この作品の義経なら、『平家物語・延慶本』三草山合戦のくだりで書かれている「例の大だい松はいかに」発言はしそうですね。合戦時夜間暗いので、松明(たいまつ)代わりに周辺の民家に放火するんです。「いつものあれ、やっとく?」というノリ。他にも、「邪魔だから」とか、大軍がいるように見せかけるために民家を燃やしたことがあったようです。

これは、義経が特別極悪非道だった訳ではなく、当時の武家たちの常識だったようです。酷い話ですけどね。

 

大原御幸について

アニメ最終回『諸行無常』で見て、初めて平家物語における後白河法皇の「大原御幸」に違和感を持ちました。建礼門院側からすると、後白河法皇は「不倶戴天の仇」「今更おめおめと何しに来た」と牙を剥いても良い存在かと思います。

 

大原御幸のシーン

 

でも徳子は、結構穏やかに応対しているんですよね。この辺の心理を小説にしたら面白そうですが、永井路子さんの短編に丁度あるようです。いつか読みたい。

 

アニメでは法皇は、「わしは三種の神器さえ戻れば、平家を滅亡させるつもりはなかった」と言っていましたが、嘘つけ!です。あんなに一緒に(今様の)セッションしていた資盛の嘆願もスルーして、本当に碌でもない人物でした(ほぼ史実どおり?)

 

まとまりもなく語りましたが、大変完成度の高いアニメ作品でした。見て良かった。

 

後世のびわ

 

それでは、また!

高田崇史先生が書く佐殿(源頼朝)の人物像

吉野家の元取締役の件は残念ですね。あれは、客ばかりか自社で取り扱っている製品まで馬鹿にしていたことが最悪でした。売り手が愛していないモノを誰が食べたくなるでしょうか。

 

さて、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』や、アニメ『平家物語』のせいで思い出した小説『QED ~ventus~ 鎌倉の闇』について簡単に語ります。

 

この本好きなんですよ

 

 

注:以下、高田崇史先生の『QED ~ventus~ 鎌倉の闇』について盛大にネタバレしています。

 

私は、昔は鎌倉が好きではありませんでした。子供の頃、親に連れて行ってもらいましたが、全体的にジメジメして陰にこもった印象があり、本書に出てくる銭洗弁天等も、どこが良いのかと思うくらい。

 

おまけにこれも連れられていった鎌倉宮(大塔宮)では、護良親王後醍醐天皇の皇子。鎌倉宮の祭神でもある)が幽閉されていたという土牢がおどろおどろしい印象で…野外、しかもあんなジメジメした(私の憎悪する)ナメクジが沢山いそうなところに何か月も閉じ込められていたなんて。

 

Wikipediaより引用

 

(実際には親王は、この土牢ではなく塗りごめた土蔵の中に幽閉されたという説もありますが、この時はそんな知識も無かったです)それだけでも涙目だというのに、当時土牢のそばにあった立て看板の絵図がトラウマでした。護良親王が殺される時か、怨霊となった後か、幽鬼のようなお姿の絵が描かれていて、夜おトイレにいけなくなるレベル。

 

前置きが長くなりました。

 

だから、『鎌倉の闇』で、何故鎌倉に幕府が開かれたのかという話には(自分には)説得力がありました。当時の鎌倉―鶴岡八幡宮周辺は、ぬかるみが酷いし、飲める水が乏しい(鉄分が多い)碌な場所ではなかったとか。そんな場所を何故頼朝が選んだのか?否、佐殿は「こんな場所しか与えられなかった」。

良く言われるのが、鎌倉は3方を山、1方を海に囲まれた要害の地だという説ですが、逆に頼朝を閉じ込めるためにこの地が選ばれたと。

 

白旗神社Wikipediaより引用)

頼朝は、坂東の御家人達の旗頭として担ぎ上げられました。そして、旗頭は「お飾り以上の意味はない」。反平家としての挙兵時も、源氏の御曹司という体裁ではありましたが「失敗したら腹を切らされる」立場でしかなかった。

 

高田史観では、頼朝は北条氏達坂東武者の傀儡でしかなく、とにかく立場が弱いものとして描かれています。

 

高田先生の佐殿は、(私の中で)どうしてもこのキャラクターにかぶってしまいます。

 

 反平家の挙兵もこんな感じだった?

 

(『スティール・ボール・ラン』1巻(集英社)より引用/以下画像も同様)

 

そう、スティーブン・スティール氏です。この操られ感。

 

凄く佐殿感ある

 

気が進まないなんて言えない、消されるかもしれないのだし。旗頭として自分の役目を(死に物狂いで)全うするしかない。

 

日本史上初の武家中心の体制づくりもこんな感じだった?

 

でも内心ガクブル。

 

嫁に泣きつきます

 

勿論、スティール夫人=後の尼将軍 です。

 

政子に「大丈夫よ佐殿/自信を持ちなさい……ガンバルのよ/あたしのかわいい人」とか言われる源氏の棟梁… ハイ、これを載せたいためだけに今回の記事を書きました(笑)

 

ただ、これはあくまで高田崇史先生から見た(そして私がウケた)頼朝像です。史実の佐殿がこの通りだと主張したいわけではありません。卓越した政治センスの持ち主だとか、冷酷な政治家だとか、政子のスパダリだとか、色んな頼朝像があって良いと思います。

 

それにしても、QEDシリーズは、タタルさんの歴史蘊蓄を奈々君と一緒にびっくりして聞くのが楽しいのですが、巻を重ねるごとに現代の事件がショボい添え物になる一方。この『鎌倉の闇』も、そう。もう歴史蘊蓄だけで完結させても良くないですか?先生。

 

 

それでは、また!